海
晴海「これが長男で これが長女 これが私の父 それで この人が… あ そう メロちゃん… メロちゃん なんでメロちゃんか わかる? えーと… なんだっけ…。」
純「もしかして 走れメロスが好きだから メロちゃんじゃないですか?」
晴海「ふっ。」
純「どうかしました?」
晴海「誰にも言ったらダメだよ。」
純「はい。」
晴海「思い出したさ。 ここで初めてメロちゃんにキスされたの。」
純「そうなんだ。」
晴海「それがさ すごい力で掴むしさ 緊張して鼻息荒いから全然ロマンチックじゃなかったけど メロちゃん 何度も言ってたよ。『僕は幸せです。 あなたに会えて本当に幸せです。』って。」
純「そうですか。」
晴海「だけどさ 私はメロちゃんを幸せに出来なかったさ。 私のせいで メロちゃん死んじゃった…。」
色々なことを忘れても お母ちゃんの心の中には 自分の伴侶を幸せに出来なかったかもしれないという 後悔だけは残っている。 そして それは 今の私も同じだ。
サザンアイランド
ロビー
純「羽純ちゃん どうしたの?」
羽純「これ。 マリヤさんから 純ちゃんがちゃんと食べているか心配だからって。」
純「あとでありがとうって言っとくね。」
羽純「せっかく 親友になったんだし 言わせてもらうけどさ。 私はやっぱり 純ちゃんはホテルをやってないと純ちゃんじゃないと思う。 みんな大人だし遠慮して言わないけど 本当は首長くして待ってるんだよ。 純ちゃんがやる気になってくれるのを。」
逃げるように去る羽純
純「…」