朝
純「愛くん 愛くん?」
玄関が開く
純「キャ!」
愛「あ 起きてたんですね」
純「もう 何処行ってたの 心配してたんだから もう!」
愛「ああ 近所の コンビニに 防犯ブザー売ってたの 思いだして これ!」
純「要らないよ そんなの」
愛「でも 用心のために 持っておいてください はい」
純「こんなのね 無くたって 私ストーカーなんか 全然怖くないんだから」
ガシャン(ガラスが割れる)
純「キャ!」
愛「え?」
純「ちょっと 待って! なに これ?」
愛「石が投げ込まれたみたいですね」
オオサキプラザホテル
ブライダルサロン
なんで いちいち こんなに怖いんだろ?
純「あ!」
多恵子とぶつかる純
純「すみません」
多恵子「ちょっと 気をつけなさいよ」
純「お義母さん!」
多恵子「お義母さんなんて呼ばないで! あなたを 義理の娘と認めた気はありませんから」
純「あの じゃあ なんて 呼んだらいいですかね?」
多恵子「普通に名前で 結構よ」
純「でも 私も 待田… なんですけど…」
多恵子「待田純…」
許せないんだろうな… 死んだ息子さん 同じ名前だから…
純「今日は お仕事ですか? あ 社長も言ってましたけど 最近 総支配人と よくお会いになってるそうですね?」
多恵子「あなたに 関係ないでしょ? それより 小耳にはさんだだけど あなた ストーカーにあってるらしいわね」
し 心配してくれてる? お義母さん?
純「はい」
多恵子「これで 少しは 学習したかしら? 世の中には 理不尽な恐怖や 暴力が 蔓延しているってこと あなたのような 無防備で 愚かな人間ほど 危険な場所に裸足で出て行って ガラス踏んで大けがするのよ せめて 周囲の人間に被害が及ばないようにしてくれる?」
多恵子「誠は 司法試験やめるって言いだしたのも あなたの悪影響のせいに決まってるし 愛が結婚したこと自体 被害を被ってるんですから こっちは」
エレベーター前
純「うわ! びっくりした! 愛くん 何やってるの?」
愛「なんか 心配になっちゃって 家から ずっと ついてきちゃいました」
純「ってことは もしかして 私がお義母さんと話してるのも 見てたってこと?」
愛「すみません ストーカーより あっちの方が全然怖いんで…」
確かに…
純「ううん ありがとう でも もう大丈夫だから ね?」
愛「分かりました」
純「うん」
愛「仕事頑張ってくださいね」
純「ありがとうね」
愛「家で待ってます」