回想
純「お父ちゃん 私に ウチのホテル 継がせて下さい。」
善行「何じゃこんなもん」
回想終了
善行「また それか そんな お前な 小学生が 書いたな 夏休みの計画表みたいなんで 借金返せるか お前!」
善行「なんや それは?」
純「愛君と一緒に 考えた。」
愛「純さんが 考えると どうしても 理念やロマンが先走ってしまうので利益見込みや 返済方法などを 織り交ぜて 僕もお手伝いさせてもらいました。」
純「この再建案持って行って 債権者んとこに行って 死ぬ気で返すから もう少しだけ 借金返すの 待ってほしいって 頼んでくるつもり。」
善行「そんな お前 想定内のやり方で こんだけの想定外の借金が返せるか! アホタレ。」
純「やってみなきゃ 分からないじゃない。 うん 家族みんなで力を合わせれば 奇跡を起こせると 私は信じてる。」
愛「すみません 僕もです。」
善行「家族の話題に入ってくるな お前は。」
純「みんなは どう思う。」
善行「正 お前 長男なんやから ピシっと言うてくれ あんなん無理やで。 言うてやってくれ。」
正「いや 俺は ほら 純のマインドも分かるし お父さんのマインドも理解出来るっていうか…」
純「お兄ちゃん そうやって 誤魔化すのやめてよ。」
正「だから。 俺は マリヤとベイビーを食わせて行かなきゃいけないからさ 働くところが あれば それでOKっつうか…。」
マリヤ「ちょっと 私とベイビーのせいにしないでよね。」
純「そうだよ 自分の意見はどうなのよ? 自分の意志はないわけ?」
晴海「お願い 正 長男でしょう? あんたが言えば おとうさんだって。」
正「そんな みんなして俺のこと 責めないでよ ああ! またきた…。 どけ!」
晴海「正…」
純「ねえ マリヤさんは どう思う?」
マリヤ「私は 前から思ってるよ。 お義父さん ダメ。」
善行「こら! 嫁は 黙っておれ お前は。」
マリヤ「そういうところもダメ。」
善行「ったく。」
純「剛。」
剛「ん?」
純「あんたは?」
剛「俺 どっちでもいいよ。」
晴海「ちょっと ちゃんとしてよ剛 もう少し ちゃんとして!」
善行「あんな奴が 頼りになるんか お前は?」
そ それは 私も同意見だけどさ…。
愛「剛君。 実は ウチの誠が宮古に来てるんだ。」
剛「うそ?」
な なるほど!
純「誠ちゃんもね 応援してくれてんの 剛 あんたが協力してくれたら 誠ちゃん見直すかもね あんたのこと」
剛「俺 お姉に一生ついていく!」
善行「おい おい!」
剛「なんでも 言ってください。」
純「ありがとう。」
晴海「おとうさん 私も 今までより 頑張って 働きますから 純の言う通り 家族みんなで 力を合わせて もう一度 父が作ったホテルを 立て直してもらえませんか? お願いします。」
正「ねえ マリヤ どうなった?」
マリヤ「しっ! いいとこなんだから。」
善行「あんな アホタレの言うことに乗せられて アホみたいなこと 信じて あのホテルを 立て直すのは無理や 一つ あそこはな 場所が悪い 二つ あそこはな 交通の便が悪い あんなところにな ホテルを建てたんが間違いや どうや? あのじいさんが 悪いんや! ったく。」