純宅
愛(ん? なんだ 今の悪寒は ものすごい 嫌な予感がする 電話してみようかな? でも… なんて言っていいのか わからない。)
(電話の着信)
愛「もしもし」
謙次「あの 今大丈夫?」
愛「どうしたんですか お父さん?」
謙次「いや 誠から連絡がないかと思って。」
愛「誠なら 宮古島にいるんじゃないですか?」
謙次「いや それが 宮古で知り合った 自称ミュージシャンとかっていう男と 横浜かどっかで住んどるみたい この前 生活費を送ってって 電話してきたんだ。」
愛「ほっといたらどうですか? もう子供じゃないんだし。」
謙次「そんなこと言うなや 家族やろ? あ そうだ 正月くらい 帰ってこうへんか? 純さんと一緒に?」
愛「え?」
謙次「かあさんのことも心配やねん。 なんだか この頃 具合が悪そうで 薬の量もどんどん増えとるみたいやし。」
愛「お父さん 1つだけ聞いてもいいですか?」
謙次「ん?」
愛「どうしてお母さんと結婚したんですか?」
謙次「それは好きやったからに決まっとるやろ?」
愛「じゃあ どうして浮気するんですか?」
謙次「いや…」
「お待たせ。」
謙次「ああ ちょっと… ちょっと待って。 今大事な話しだからね。」
愛「また あの電話するから。」
「ケンちゃん。」
謙次「ちょっと…」
愛「お母さんのこと もう愛してないんですか?」
謙次「いや そんなことないけど あいつが何考えてとるか わからへんねん。 どうやったら あいつを幸せに出来るんか。 どうやったら 昔のあいつに戻ってもらえるんか。」