糸子「よっしゃ! 行こ!」
勘助「うわ! 行こか!」
糸子「どこ行くねん! 待ってよ。」
善作「しゃあないなあ 神戸 連れてったら! 支度せい。」
糸子「へ?」
善作「じいさん孝行や。」
糸子「うち 今から海…。」
善作「口答えすな! はよ着替えてこい。」
電車
<お父ちゃんと2人で 出かけんのなんか 久しぶりです 寝てんかな… それか 寝たふりかな。 さすがに今は パッチの話 せん方が ええんやろな>
松坂家
玄関
糸子「こんにちは~!」
貞子「は~い! あれまあ 糸子! …と 善作さん? ど どないしたん?」
清三郎「何 糸子か? よっ! ハハハ! お! 何や びっくりするやないか! お父ちゃんと来たんか?」
糸子「そやねん。 おじいちゃんらの顔 見に来たん。」
清三郎「そうか! ありがとうな さあ 上がり 上がり! 善作君も久しぶりやないか?」
善作「いえいえ。 えらい ご無沙汰しております。 あの これ…。」
清三郎「え?」
善作「誠に つまらんもんなんですが。」
清三郎「こんなもん いらんがな! はよ 上がり あがり!」
貞子「はよ! おやつ 何 食べる~?」
糸子「何 ある~!」
リビング
糸子「う~ん おいしいな! これ 何ちゅうん?」
貞子「バウムクーヘンや。」
糸子「もうないん?」
清三郎「あ~ あるある。」
貞子「持ってきたろ。」
糸子「ええよ おばあちゃん。 うち取ってくる。」
貞子「分かるか?」
清三郎「ああ 糸子。」
糸子「ん?」
清三郎「すまんけどな ついでに勇らにも 持ってったってくれるか? おじいちゃんな お父ちゃんと ちょっと お話あるから。」
糸子「うん。」
清三郎「うん。」
清三郎「それで…。 一体 何の用や?」