連続テレビ小説「カーネーション」第122回「悔いなき青春」【第22週】

小原家

オハラ洋装店

糸子「こんにちは。」

居間

糸子「よっこらせ。 ちょっと 見ちゃあってくれるか? あの子な また こんなんしてんや。」

松田「うん? ちょっと… うん。 ああ? こりゃ… ハハハハ…。 あ~あ もう ここ こんなんして…。 あら ここも こんなんして もう… あんなけ言うたのに もう~。 先生も 直ちゃんには ええかげん 厳しい言わんと あきませんよ。 中途半端に助けるよって いつまでも甘えるんです。」

糸子「いや 言うて直る事やったら 言うけどな あら 直らんよって もう。」

松田「ちょっと…。 せやけど これは あんまりやで これ もう~。」

オハラ洋装店

「小原さ~ん 小包です~。」

<月末になったら 優子と直子から 店の売れ残りが届きます オートクチュールの優子の店からは 生地束。 プレタの直子の店からは 商品>

居間

糸子「う~ん… 6,000円。」

聡子「へ? けど これ 1万8,000円て 買いてあるで。」

糸子「売れるか これが 1万8,000円なんか。 岸和田のお客っちゅうんはな 東京みたいに 甘い事ないで。」

聡子「けど 直子姉ちゃん 怒らへんやろか?」

糸子「いや ほんでも これ 6,000円でも売れるやろか? 東京には 東京の厳しさが あるか知らんけどな 岸和田には 岸和田の厳しさが あるよってな。」

オハラ洋装店

2人「こんにちは。」

聡子「いらっしゃい!」

「また新しいの 入った?」

<姉ちゃんらの商品を売るんは 聡子の仕事。 これが 若いお客さんらには えらい人気でした。>

「これ 似合いそうやわ。 どやろ?」

「ひゃ~ これ 格好ええ!」

聡子「やろ?」

「なんぼ?」

「1万円?!」

「1万円? 安う!」

「なあ 安いなあ。」

聡子「やろ?」

「え~ うちも欲しい。 聡ちゃん もう一個 同じの ない?」

聡子「同じのは ないんやけど これ どやろ?」

「え~ こっちも ええなあ。」

「格好ええやん。」

聡子「ピンクやねん。 ほな ここもな ピンクやねん。」

「あ ほんまや。」

「これ ええ!」

「なあ 格好ええなあ これ。」

「これは なんぼ?」

聡子「これも 1万円。」

「安い!」

<この商売 いつまでたっても 難しいもんです>

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