連続テレビ小説「カーネーション」第127回「悔いなき青春」【第22週】

玄関前

里恵「来た! 来た来た!」

玄関

里恵「来た だんじりや!」

ベランダ

♬~(お囃子)

「ソーリャ ソーリャ ソーリャ ソーリャ!」

(拍手と歓声)

玄関前

松田「組合長。」

三浦「おっ 松田や。」

松田「おお~ ほほ 組合長! ご無沙汰してます~。」

三浦「これから 店か?」

松田「ええ。 何や 今年は お客が多いよって 手伝うてくれちゅうて 言われて。」

三浦「ほな わし 邪魔やな。」

松田「いやいやいや とんでもない! 先生が喜びますわ。」

<東京からのお客さんは 昼過ぎた頃に 次々と やって来ました。 ジョニーは シークレットブーツなしやと 誰にも 気ぃ付かれんそうです。>

<案外 このごろ テレビで 人気が出てきた白川ナナコの方が>

「あれ! 白川ナナコ ちゃうか?」

「うわ ほんまや!」

ナナコ「嫌だ~ 気付かれちゃった。」

<大変やったそうです>

台所

サエ「こんにちは。」

糸子「はれ! どないしたん? あんた 家の方 手伝わんで ええんんかいな?」

サエ「いや それがな この子らが『どないしても ジョニー 見たい』ちゅうよって。」

居間

糸子「心斎橋のな おっちゃんらが 行かれへんような店の きれいどころやで。 おいで おいで!」

3人「失礼します~!」

男達「おう おう うお~!」

「きゃあ~ ジョニー!」

ジョニー「ありがとう ありがとう。 どっから来たの? どっから来た?」

「格好ええ。」

「すてき~。」

オハラ洋装店

優子「先生 ほんと ご無沙汰してます~。」

原口「いつ以来だっけ?」

優子「直子の結婚パーティー以来ですよ。」

原口「ああ~!」

玄関前

糸子「遠い所 よう来れたなあ。」

源太「ちょうど 予定が合ったんです。」

原口「源太! あれ~ よく来たなあ!」

吉村「お帰り。」

小沢「お帰り。」

オハラ洋装店

原口「パリ帰り。 パリ帰りの男ですよ~!」

北村「うお~ 斎藤源太氏や!」

直子「うわ 源太! あんた 来れたんやなあ。」

原口「座れ 座れ。」

優子「座って 座って~。 いや~ パリから よう来たな~。」

直子「ちょっと! ちょっと 姉ちゃんばっかり 座ってらんとよ。 代わって!」

優子「何や うちかて ほんの今 お酌しただけやんか!」

直子「ああ もう ええて!」

優子「何や うちかて 久しぶりやて。」

男達「まあ まあ まあ。」

優子「何や あんた!」

井戸

糸子「お母ちゃ~ん お母ちゃ~ん!」

♬~(お囃子)

糸子「お母ちゃ~ん。 いてたか?」

昌子「いてません。」

糸子「もう どこ行ったんや お母ちゃん。 こっちやろか? あっ!」

昌子「あ~あ よかった!」

糸子「もう! お母ちゃん どこ行っちゃあったんよ?!」

千代「はあ~ ようさん お客さん いてんのに おとうちゃん おらんよって どこ 行ってしもたんやろ…。」

糸子「お母ちゃん! お父ちゃん もう とっくになあ…。」

松田「先生! おとうちゃん『どこぞに 挨拶してくる』ちゅうてましたで。」

千代「はあ…。」

昌子「まあ よかった~ よかった。 おうち 入りましょう。 な なあ。」

松田「怒ったったら あきません。 うちの母も ああでした。 適当に 話 合わせといちゃったら ええんです。」

糸子「うん…。」

サエ「ちょっと! ちょっと 恵さん! 見た?」

松田「えっ ななな 何?!」

サエ「冬蔵! 冬蔵さん 来てんやて!」

松田「えっ どこ? どこ どこ どこ?!」

サエ「そこ! そこやて! テレビと一緒に来てるらしいで。」

松田「はあ~! いや~!」

サエ「きゃ~!」

玄関前

♬~(お囃子)

オハラ洋装店

直子「聞こえたか? 聞こえたか? もしもし 聡子?」

(聡子の泣き声)

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