連続テレビ小説「カーネーション」第15回「熱い思い」【第3週】

枡谷パッチ店

仕事場

<窓を開けたら 朝の風が入って 空気が入れ代わるんやな こんなして 机が きれいに拭かれとったら 気持ちが ええんやな>

糸子「あ…。」

岡村「おろっ! 風邪 もう ええんけ?」

糸子「へえ 元気になりました。」

岡村「そうけ…。 せや… ちょう来い。」

糸子「はい…。」

岡村「飴 やろ!」

糸子「おおきに。」

<怖い人が 飴 くれる事も あるんやな>

糸子「縦 縦 縦 縦。」

<縦に拭いてから 横に拭いたら 汚れが残れへん>

小原家

台所

<お茶は 少し待って ちょっとずつ 入れたら おいしなる>

子供部屋

<その気になったら 勉強できる事は 山ほどあるんや よし! うちには もう こんだけ 知恵ついた。 知恵ちゅうのは 増えていくばっかしのもんやし 10年ちゅうのは 減っていくばっかしのもんや>

糸子「今日で…。 10… 6日目や。 あと 9年と… 300… 40… 9日!」

(ため息)

糸子「大丈夫や。 うちは ちゃんと ミシンに近づいてる。」

枡谷パッチ店

仕事場

(小鳥の鳴き声)

(戸の開閉音)

枡谷「そない うれしいんけ?」

糸子「えっ? あっ おはようございます!」

枡谷「ごっつ うれしそうに 磨くのう。」

糸子「へえ! そら ミシン 大好きですさかい!」

枡谷「ええ事 教えたろか。」

糸子「えっ?」

枡谷「そいつはな。」

糸子「へえ。」

枡谷「夜なったら 遊んでんで。」

糸子「へっ?」

枡谷「誰と 遊んでんですか?」

枡谷「いや 違うがな! 遊んでるて 別に こいつが 誰かと おしくらまんじゅう してる訳や ないよ。」

糸子「うん。」

枡谷「そやなしに… 誰も使わんのを『遊んでる』ちゅうんや。」

糸子「あ~あ。」

枡谷「遊んでるもんを ちょびっと 使わせてもろたかて 誰も怒らへんで。」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク