小原呉服店
(ふすまの開く音)
ハル「こら!」
糸子「え?」
ハル「あんた 今 何時やと思てん?」
糸子「2時?」
ハル「はよ寝り。 その仕事 そない 急ぐ仕事と ちゃうやろ?」
糸子「まあ そらそやけど あと もうちょっと。 ここまで。」
ハル「あかん! ごちゃごちゃ言わんと 寝り! 悪い癖や ほんまに…。」
(ミシンの音)
居間
(せきばらい)
(ミシンの音)
ハル「もう 勝手にせえ。」
<おばあちゃんの 仏の計らいのおかげで その夜 どないか見本が 完成しました>
翌朝
♬~(ラジオ体操)
座敷
糸子「何してんの お母ちゃん?」
千代「あ おはよう!」
静子「お母ちゃん どないしたん?」
千代「糸子 これな。」
糸子「うん。」
千代「このまんまやったら あかんで。」
糸子「え?」
千代「イブニングドレスゆうんはな ほんま 体にこう ピタ~て 合うてへんと あかんもんやねん。」
糸子「うん。」
千代「これは あんた おばあちゃんの型で こさえたやろ?」
糸子「はあ。 型は おばあちゃんので 大きさは お客さんに合わしたんやけど。」
千代「そやけどな 見ときや。」
千代「な 見とった?」
糸子「ええなあ お母ちゃん。」
千代「何や この辺が 引きつっとったやろ?」
糸子「見てなかった そんな。」
千代「何でやのん。」
糸子「この辺?」
千代「そうや 腕上げたら こう引きつる。」
糸子「ほんまやなあ。」
静子「踊り子さんが着るんやったら やっぱし 踊ってる時が 一番よう見える方がええよ。」
糸子「ああ そうやなあ。」
千代「なあ 糸子。」
糸子「え~? うち 踊らんで ええねん。」
千代「ここやで。」
糸子「ああ。」