八重子「糸ちゃん!」
糸子「え?」
八重子「糸ちゃん! あんた 花嫁衣裳持ってきたんか?」
糸子「おばあちゃん 持ってきてるやろ?」
八重子「おばあちゃんが 糸子が持ってくる事になってる 言うちゃあったで?」
糸子「あ… そやった。 取ってくる。 取ってくる! あ イタ! 痛い! イタ!」
玉枝「どないしよ! どないしょ!」
八重子「あ 勘助ちゃんに 取りに行かそうか?」
玉枝「そうしょ! どこに置いちゃんよ。」
糸子「え~ あのな 店入って 左手に 確か おばあちゃんの 風呂敷包み置いちゃあったと 思うわ。」
奈津「もう~! アホか! ええわ もう! 待っとき。」
奈津「うちのや! うちは 着られへんかったけどな。」
糸子「いや そやけど。」
座敷
(談笑)
勝「よろしくお願いします。」
千代「こちらこそ よろしゅう お願い致します。」
(談笑)
控え室
玉枝「歩けるか? せ~の!」
糸子「あ~ 痛っ! イタタ!」
玉枝「気ぃ付けや。」
奈津「『馬子にも衣装』。」
糸子「え?」
奈津「豚にも晴れ着!」
糸子「ちょっと…。」
玉枝「まあまあ。」
座敷
勘助「皆さ~ん! ご注目!」
「何や?」
勘助「何や いきなり 芸をやれちゅうて 言われましたんで やります!」
善作「何じゃそら お前 誰に そんな事 言われたんや?」
勘助「ここの若女将です。 はい 皆さん ご注目! よいや! よいや!」
木之元「下手くそ~! わし わしがやるわ。 どけ!」
木之元♬『さて さて さては 南京玉すだれ ちょいとのばせば はい しだれ柳に さも似たり』