居間
善作「産まれた!」
2人「産まれた!」
(笑い声)
勝「産まれた!」
善作「産まれたがな~! 産まれた 産まれた! 飲んでる場合かい お前!」
善作「ほう! 女の子か かいらしいのう。」
千代「ほんま かいらしいなあ!」
ハル「ヘヘ! かいらしいか? 猿みたいやんか。」
勝「フフフ! そら さっき僕が猿の子でも 育てる言うてもうたさかい。」
善作「せや わしも ついな 女の子でも 何でもええ 言うたさかい。 神さんが怒って こんな猿みたいな顔にしたんや。」
<失礼やな>
2階 寝室
貞子「ああ かわいい かわいい!」
糸子「ほんま ほんま堪忍な 心配かけて。」
貞子「ええって もう。 辛気くさい顔しんな。 こんな かいらしい赤ん坊が 元気に産まれたんや。」
清三郎「お手柄や。 大手柄や! わしらの宝が また増えた。」
貞子「宝や 宝や 子宝や!」
清三郎「ありがたいこっちゃ。 わしらは こんだけ 宝に恵まれとんや。 少々のもん無くしても なあ 何も怖がる事はない。」
安岡家
居間
(小鳥の鳴き声)
玉枝「名前どないしたん?」
糸子「直子。」
玉枝「へえ 直子。」
糸子「産まれてくる時に えらいゴテよったさかい 素直な子ぉに育つようにちゅうて 素直の直子。」
玉枝「へえ~ 直子ちゃん。」
八重子「直子ちゃん! かいらしい!」
玉枝「あ せや 勘助から 葉書 来たで!」
糸子「ああ 見せて。」
玉枝「待っててや。」
<八重子さんは 最近 パーマネントを始めました。 それが えらい評判で このごろは おばちゃんよりも 忙しそうです>
<このごろの勘助の葉書は もう 気色悪いほど 当たり障りのない文面で。 字ぃが 相変わらず 汚いっちゅう事以外 うちの知ってる 勘助やないみたいでした>