連続テレビ小説「カーネーション」第61回「切なる願い」【第11週】

糸子「ああ… おおきに。 ああ…。 ああ… ああ…。 おばあちゃん 寝とくか? 静子~! 2階 布団 敷いちゃって! おばあちゃん 寝かそ!」

静子『は~い!』

糸子「なあ びっくりしたなあ。 けど ちゃんと養生したら また お父ちゃん 元気になるよって。 静子~! おばあちゃんの布団 お父ちゃんの隣に 敷くんやで!」

オハラ洋装店

静子「えっ お父ちゃんの隣?」

糸子「せや。 こっちの部屋 うちが 今から お産で使うさかいな。 う~ん…!」

静子「は? お産? 今から?」

<結局 産婆さんに 来てもらう頃には どないか 戸に 新しいガラスが はまって 畳も 新しいのと 取り替えられて>

糸子「こんにちは。 よろしゅう お願いします。」

「何ぞ あったんけ?」

糸子「ああ ちょっとしたボヤですわ。 あ~ あ ああ 痛い! ああ!」

「今 何分置きや?」

糸子「ああ… 5分。」

「5分?! はよ 布団に寝とかんかいな!」

糸子「いや… あと もうちょっとで あれ 終わりますねん。 ああ!」

2階 廊下

千代「あれ 誰か お客さんか?」

昌子「はあ 産婆さんですわ。」

千代「産婆さん?」

オハラ洋装店

千代「糸子! あ~あ あんた 痛いんか?」

糸子「う~ん…。」

千代「あ~あ あんた そんな はよ 布団に寝とかな。 歩けるか?」

糸子「う~ん かめへん。 お母ちゃんは 今 お父ちゃんの事だけ 見といて。」

千代「いや~ そやけど…。」

糸子「ええから そないして!」

千代「分かった。」

糸子「う~ん…。 う~ん… ああ…。 あ~… あ… うん!」

<何でもかんでも 自分一人の力で やってきたつもりで いちゃあったけど どんだけ 周りに 助けて もうちゃったかっちゅう事が こないなってみて 初めて分かりました>

2階 寝室

<お父ちゃん 勝さん おばあちゃん。 うちなあ…>

糸子「心細いわ…。 うん う~ん! う~ん!」

静子「お姉ちゃん!」

昌子「先生 もうちょっとや!」

糸子「う~ん!」

昌子「もう一息や!」

糸子「う~ん! う~ん う~ん!」

昌子「もうちょっとや~!」

糸子「う~ん!」

(産声)

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