あらすじ
はな(吉高由里子)はもも(土屋太鳳)から、望月(川岡大次郎)が見合いの返事を首を長くして待っているということを聞き、ますます迷ってしまう。そんなある夜、ふじ(室井滋)は吉平(伊原剛志)に、吉太郎(賀来賢人)が職業軍人になるのに反対しているのは、父親としてさみしいからではないのかと問う。吉平はそれに答えず、ふじにくしの土産を差し出すが、ふじはそれを断る。その理由を知ったはなは、ふじにあることを聞く。
53回ネタバレ
安東家
庭
はな「ただいま。」
もも「あっ お姉やん。 今日 町で地主様に会ったら 言われたさ。 『早く見合いの返事しろ』って。 望月様 待ちくたびれてるだとう。」
はな「そう…。」
もも「お姉やん まだ迷ってるだけ? こぴっと伝えたからね!」
居間
吉平「おまんは 知ってただけ。 吉太郎が軍隊入って もう ここには戻らんって事。」
ふじ「ちっとも知らなんだ。 吉太郎は 誰にも相談しなんで 全部 自分一人で決めただよ。」
吉平「いいだか? ふじは。」
ふじ「今まで あの子は ずっと 家族のために 頑張ってきただから やりてえように さしてやりてえさ。 あんた。 本当は さみしいずら?」
吉平「あっ?」
ふじ「はなの縁談も 頭ごなしに反対するのは 嫁に行かれたら さみしいからじゃねえだけ?」
吉平「ああ… ず~っとバタバタしてて 渡しそびれてたけんど これ おまんに土産だ。」
ふじ「てっ! いい。 要らん。」
吉平「まだ怒ってるだけ? ほりゃ ほうだな。 4年も ほったらかしで… 本当にすまなんだ。」
ふじ「ほうじゃなくて くしは 要らん。 おらには これがあるさ。」
吉平「てっ…。 まだ ほんな古いくし 持ってただけ。」
ふじ「当たり前さ。 これは あんたからもらった たった一つの贈りもんじゃん。」
吉平「ふじ…。」