小原家
オハラ洋装店
「うちも あんなパーマ あてたいんや。」
「うちも あてたい!」
「なあ ええわな あれ! 外人さんみたいに なりたいわ。」
(足音)
糸子「うん? う~ん…。」
千代「まだ 寝てるんか。」
糸子「イテテテテ…。」
昌子「先生!」
(笑い声)
糸子「あ~ 頭 痛い。」
千代「あれれ 痛いんか?」
昌子「33歳… 先生は もう33歳。 どういうこっちゃ? ほんな ええ年した女が 酔い潰れて よその人に おぶわれて 帰ってくるて!」
糸子「もう どならんといてよ。 頭 痛いのよ。」
昌子「恥ずかしいやら 申し訳ないやら。 うちら どんだけ 頭下げた 思てるんです!」
千代「あ~あ!」
糸子「あ…。 うち 誰に おぶわれて 帰ってきたん?」
昌子「はあ? それも 覚えてないんですか?!」
糸子「堪忍…。」
千代「何や 背ぇの ひょろ~っと高い人や。 親切に いろいろ 説明してくれたんやけどなあ 何 言うてるんか 言葉が よう分からんで。」
(笑い声)
糸子「あ… あの人か?」
回想
糸子「お父ちゃんか?」
周防「うん?」
回想終了
糸子「あ~! あ~ 恥ずかし~!」
千代「え~? ほれ! また寝るんか? えっ?」
糸子「う~ん…。」
<あ~あ… どうか もう あの人に 金輪際 会う事が ありませんように…>