連続テレビ小説「カーネーション」第82回「愛する力」【第15週】

周防「おいは…。」

糸子「『おいは』って 自分の事ですか?」

周防「そうです。」

糸子「はあ…。」

周防「おいは 長崎で 紳士服の職人ば しよったとです。」

糸子「はあ…。」

周防「ばってん ピカで 店でん 家でん 焼けしもたけん 岸和田に来たとですよ。」

糸子「店も家も 焼けてしもたんですか?」

周防「ふんさ。」

糸子「そら 気の毒な事でした。」

周防「ほんなことねえ。 そいばってん 嫁も子供達も 命ばっかりは 助かったけん ま~だ よかったって 思っとっとですよ。」

糸子「奥さんも 子供さん 無事やったんですか?」

周防「はい そうです。」

糸子「ああ ああ…。」

周防「長崎弁は 分かりにくいですか?」

糸子「ああ… いや うち 長崎の人と しゃべんの 初めてやさかい。」

周防「おいも 最初ん頃 大阪弁は 分かりにくかったです。」

糸子「ほうですか。」

周防「はい。」

糸子「はあ~!」

北村「ああ~! 紅一点!」

糸子「はっ?」

北村「初めて 女の商売人が 交じるっちゅうさかい 楽しみにしちゃあったのに あっかい花が来る 思ちゃあったら ただの里芋じょ!」

(笑い声)

糸子「はあ?」

(笑い声)

北村「まあ 勘弁しちゃら。 ほれ!」

糸子「お酒ですか?」

北村「当たり前じゃ。 水なんか出すけ! 何や あんた。 ひょっとしたら 酒 飲んだ事ないんちゃうんけ?」

糸子「はっ! ハハハ~ なめんとい下さい。 うちは 岸和田では 有名な酒豪で とおってます。 ふん。」

北村「ふん。」

「あんた ほんまに 酒 飲めるんけ?」

「無理すなよ ねえちゃん。」

糸子「小原です! ほな 皆さん 末永う よろしゅう。」

「うわ|~!」

「ほんまかいや?」

「酒豪やな!」

「えっ?」

糸子「あ… うまい!」

「うまい?」

糸子「ハハッ! うまい! どうぞ。 頂きます。」

<うちは 自分が お酒を飲める ちゅう事を 初めて知りました>

糸子「あ~ うま!」

<そやけど 飲み過ぎたら 酔っ払うちゅう事も知りました>

周防♬『遊びに行くなら 花月か 仲の茶屋 梅園裏門 たたいて 丸山 ぶうらぶら ぶらり ぶらりと 言うたもんだいちゅう』

道中

(犬のほえる声)

<うん? どこや? うち 誰かに おぶわれてんのか?>

糸子「お父ちゃんか?」

周防「うん?」

<あれ? うち… 年 なんぼやったっけ?>

(犬のほえる声)

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