連続テレビ小説「カーネーション」第83回「愛する力」【第15週】

2階 仕事場

千代「まあ こないだは ほんまに お世話になりました。」

周防「うんにゃ そんくらいは。」

千代「何かあったら 何でも言うて下さいな。 下に おりますさかい。

周防「ありがとうございます。」

千代「いいえ。」

糸子「あの~ 一とおり 使えるように そろえたつもりやけど ちょっと見といて下さい。 お客さん 4時に来ますよって。」

周防「分かりました。」

糸子「ほな よろしゅう。」

周防「あの~。」

糸子「はい。」

周防「あん 水玉ん服は 小原さんが 考えたとですか?」

糸子「は?」

周防「下のウインドーに 飾っとっと。」

糸子「はい そうです。」

周防「ふ~ん…。」

糸子「それが 何か?」

周防「あ いや…。」

夕方

周防「手ば 上げてくれんですか。」

「おっ。」

玄関前

(小鳥の鳴き声)

優子 直子「行ってきます!」

糸子「こらこら 待ち! あんたら これ 忘れたら あかんやろ。 はい。 あ おはようございます。」

周防「おはようございます。」

糸子「早いですね。 ほれ あんたらも『おはようさん』言わんけ!」

2人「おはようさん。」

周防「おはよう。 おはようございます。」

2人「行ってきます!」

糸子「行っちょいで~。」

2階 仕事場

糸子「失礼します。」

周防「はあ。」

糸子「お茶です。 休憩して下さい。」

周防「ああ ありがとうございます。」

糸子「あの~ ちょっと聞いて ええですか?」

周防「はい。」

糸子「靴…。」

周防「靴?」

糸子「はい。 周防さんの靴 ああゆうんは 長崎には よう売ってるんですか?」

周防「ああ あれは 舶来品の店で 買うたとです。 珍しか革の色ばってん おいは よかね~って 思うたとです。」

糸子「長崎は 異人さんが多いんですか?」

周防「昔から 長崎港は ヨーロッパとの貿易が あったですけんね。 あん靴は ピカが 落ちっちゃけた時も 嫁さんが 持って逃げてくれたけん 燃やさずに済んだとですよ。 他は 何でんかんでん 燃えしもうた…。 たった一つの財産やけん 大事に 手入れ しよっとですけど…。」

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