連続テレビ小説「カーネーション」第84回「愛する力」【第15週】

(戸の開く音)

糸子「奈津?! あんた…。 何してんや? あんた 一体 何してんや? 借金残して 夜逃げして 何やってんや? 何や この格好! 言うてみい! 言うてみい!」

周防「小原さん!」

糸子「ああ~!」

奈津「関係ないやろ あんたに。 あんたになんか 何も関係ない! 関係ない! 関係ない! 関係ない! 二度と来んな! あんたなんか あんたなんか 何も関係ないんや!」

小原家

オハラ洋装店

周防「おはようございま~す!」

昌子「おはようございます。」

糸子「昨日は すんませんでした。」

2階 仕事場

(せみの鳴き声)

<結局 ボタンは 家に手持ちのもんが あったそうで。 周防さんは 何事もなかったように 仕事を続けてくれました>

(せみの鳴き声)

オハラ洋装店

サエ「こんにちは!」

昌子「サエさん! あ~ いらっしゃい! 先生! サエさんですよ~!」

サエ「チラチラ 見てるわ~とは 思てたんやし。 ほしたら 信号 変わった途端に にゅ~って こっち 近づいてきて『僕 お宅の出てる映画 見た事あります』やて。 もう 誰と勘違いしてんかしらん! 嫌やわ~! なあ 糸ちゃん聞いてよ!」

糸子「うち 忙しいんやて。」

周防「あの~ ちょっと 手洗いば お借りしますけん。」

サエ「ちょっと! ちょっと あれ 誰?」

糸子「職人さんや。」

サエ「職人さん? 職人さんて?」

糸子「うるさい! 黙っとって。」

(せみの鳴き声)

<周防さん お宅が思てくれたとおりです。 うちは 夢を作りたかったんです。 戦争で受けた傷を忘れて 新しく生まれ変わる。 そうゆう夢です>

玄関前

昌子「はあ また。」

「格好ええ!」

<服に託した うちの夢は 女の人らに届いたと思てます ほんでも 服は服です。 知れてます ほんまに どん底におる人を 助けたいと思たら 服とちゃう。 この 自分の手ぇしかないんや>

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