連続テレビ小説「カーネーション」第92回「隠しきれない恋」【第17週】

三浦「あいつな…。」

糸子「はい。」

三浦「あんたの事 本気で好きやて。 せやけどな 今の かみさんと別れる事は 絶対 でけへんて。 これ… あんた 知らん事かもしれんけれどもな あいつのかみさん あの 長崎のピカの後遺症があってな あいつが言うにはや。」

三浦「『それは 自分が 一生 背負うていかんならん事で それを 今 どうにかできるとは さらさら思うてない』。そやけど 何ちゅうのかなあ… 自分が背負うてる重荷に 耐えられんようなった時には いつも あんたの事を思い出すんやて。」

糸子「何や… 聞かん方が よかった…。」

三浦「ほうか? 悪いけど わし 言うて すっきりした。 ハハハハ!」

糸子「アハッ!」

三浦「ハハハハハハハ! いや あ~!」

糸子「殺生な…。」

三浦「ハハハハハハハ!」

三浦「余計な事 言うてしもうたな。」

糸子「いいえ。」

三浦「うん けど 周防の事は 心配すな。 飢え死にさせるような事は 絶対 させへんさかい。」

糸子「はい。 よろしゅうお願いします。」

三浦「…とは言うてもやな わし 今年 60や。」

糸子「はあ。」

三浦「人の道だけは 絶対に外れたら あかん。 そう思うて 生きてきた。 いっぺんも 外れた事ないか? ちゅうたら そうとも言い切れん事もない …事は ない。」

糸子「ある ちゅう事ですか?」

三浦「う~ん…。 どうにか 踏みとどまってもやな ああ どうにもならんと思うて 外しても 結局は…。」

(ドアの開く音)

三浦「あ…。」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク