連続テレビ小説「カーネーション」第99回「ライバル」【第18週】

優子「ほな 行ってきます!」

糸子 昌子「行っちょいで!」

直子「行ってきます!」

糸子 昌子「行っちょいで!」

聡子「行ってきます!」

糸子「聡子 あんた 靴下 履かんかいな!」

聡子「う~ん いらん!」

糸子「この寒いのに 風邪ひく! これ これ!」

聡子「いらん! 暑いわ!」

玄関前

松田「おはようさん!」

糸子「もう!」

松田「おはようございます。」

糸子「おはようさん!」

松田「あの… 聡ちゃん また はだしやけど。」

糸子「ええんや もう。 猿やし あれは。」

松田「猿かいな?」

台所

千代「熱~!」

オハラ洋装店

芳川「ほんでも 優子ちゃんが 優秀やさかい おかあさんも 将来が楽しみですね。」

糸子「いいえ~。 先生に そない言うてもろたら うれしいですけど 正直 うちは 何も アテにしてませんわ。」

芳川「まあ ほうですかあ?」

糸子「42。はい。 うちの娘ら3人とも『こんな洋裁屋なんか 死んでも継げへん』て そら 憎たらしい顔で 言い張ってくれますよって。」

芳川「あ ハハハ!」

糸子「136。 どうぞ! まあ 優子も あれはあれで 好きな絵の道 進んだらええと思てます。」

芳川「そうですねえ。 でもまあ 絵の道も それはそれで 相当に 険しいもんですからね。」

糸子「はあ~!」

芳川「ほんまに絵で食べていこう 思たら ちょっとやそっとの才能や 努力では かないませんから。 おかあさん?」

糸子「あ… すんません。 いや… そうでしょうねえ。」

芳川「え?」

糸子「いや ほんまに。 そら 厳しいて当たり前や。 芸術家なんか 洋裁屋より よっぽど険しい道なはずですわ。 うちの娘 ほんまに そこまで 覚悟ありますやろか?」

芳川「おかあさん 正直言うて。」

糸子「はい。」

芳川「今の優子ちゃんに そこまでの 覚悟は まだ ありませんわ。」

糸子「え?」

芳川「東京の美術大学に行きたい。 その気持ちは 強く持ってはりますけど 何があっても 自分は 絵で食べていくとまでは 思てへんと思います。」

糸子「はあ。」

台所

糸子「お お お…。」

千代「ヘヘヘ!」

優子「ただいま~!」

千代「お帰り~!」

優子「お母ちゃん! 今日 芳川先生 来た?」

糸子「ちょっと おいで。」

優子「え?」

糸子「ええさかい おいで。」

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