連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第19話「1943-1945」【第4週】

<10月 焼け落ちた百貨店が再開しました。 あの空襲から僅か100日でのことでした。 これに刺激を受けた人々が 少しずつ焦土から立ち上がり がれきに埋まった商店街の復興に取りかかりました>

闇市

金太「安子。 たちばなを立て直すで。 戦時中 菓子は ぜいたく品じゃ言われて 作るな言われた。 じぇけど ホンマは 菓子は苦しい時ほど必要なもんじゃと わしゃあ思う。 たちばなの菓子で救われる人が きっと おるはずじゃ。」

安子「うん。 私も手伝います。」

<金太は 雨風のしのげる小屋を建てると そちらで暮らし始めました。 安子は 雉真家の食糧の買い出しに加えて 金太の菓子作りの材料の入手に 奔走しました。 亡き小しずの里へも行き 収穫を手伝う代わりに 小豆を分けてもらいました>

橘家

金太「何ゅうしてほしいか 小豆が教えてくれる。 食べる人の 幸せそうな顔を思い浮かべえ。 おいしゅうなれ。 おいしゅうなれ。 おいしゅうなれ。 その気持ちが 小豆に乗り移る。 うんと おいしゅうなってくれる。 甘えあんこが出来上がる。 あっ!」

安子「フフ…。 小せえ頃 私もお菓子の職人になりてえ 思よったんよ。 しゃあけど おなごの子はなれん 工場に入ったらおえん言われた。 うれしいな。 こねんして お父さんに教えてもらえるなんて。」

安子「こんなもん?」

金太「うん。 ええ形じゃ。」

安子「お芋を使うた おはぎみてえなもんです。 甘えですよ。 4つで10円です。 いらっしゃいませ。」

「4つくれ。」

金太「ありがとうございます。」

安子「ありがとうございます。 どうぞ。」

金太「ハハ…。」

安子「フフフ…。」

「わしにも1つくれ。」

<砂糖の代わりに 人口甘味料の サッカリンを使っていましたが 人々は 甘未を求めていました>

安子「ありがとうございます。」

金太「待て!」

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