連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第2話「1925―1939」

算太「すんません。」

杵太郎「算太。 これから活動写真は 店が休みん時にせえ。 なっ。」

算太「休みいうて 月に半日あるかねえかじゃ…。」

金太「口答よお すな。」

杵太郎「金太。 おめえも もっと ちゃんと算太を教育せえ。」

金太「親父が孫を甘やかしすぎるんじゃあ。」

杵太郎「そんなこたあ ありゃせん。」

金太「しとりゃせんことあ しとりゃせん。」

杵太郎「ありゃあせんこたあ ありゃあせんて…。」

金太「ありゃあせんこたあ ありゃあせんて…。」

黒鉄「大将! 金太さん!」

金太「あっ!?」

杵太郎「何や!?」

黒鉄「坊ちゃんが逃げました。」

杵太郎「うん? あ…。」

居間

♬~(ラジオ)

ひさ「算太の逃げ足の速えことにゃ 感心するわ。」

小しず「マラソン選手じゃったら 金メダルかもしれませんけど。」

ひさ「あほうなこと。 じゃあけど 銅メダルじゃったら?」

小しず「お義母さん そういうことじゃありません。」

2人「フフフフフッ。」

小しず「どうも あの子あ お菓子づくりに気ぃがいかんようで。」

ひさ「困ったもんじゃ。 いずれ 後を継ぐいうのに あ~ そんなら頂きましょうか。」

小しず「はい。」

安子「頂きま~す!」

小しず ひさ「頂きます。」

ひさ「う~ん!」

小しず「おいしいなあ。」

2人「うん。」

安子「私も作りてえなあ。」

小しず「うん?」

安子「泥のおだんごじゃのうて おじいちゃんとか お父さんみてえに 本物の 甘えお菓子ゅう作る人になりてえ!」

(笑い声)

ひさ「安子あ そねんこたあ せんでええんよ。」

安子「何で?」

ひさ「何でて おなごの子なんじゃから。」

お菓子司たちばな

安子「あっ いらっしゃいませ。」

きぬ「安子ちゃん。」

安子「あっ きぬちゃん。」

きぬ「あんころ餅5つちょうでえ。」

安子「は~い。 なあ きぬちゃんは将来 お豆腐作る人になるん?」

きぬ「豆腐屋のおかみさんに なるんじゃねえかなあ。 うちは おなごばあで 私ゃあ一番下じゃろ。」

安子「うん。」

きぬ「お父ちゃんも お母ちゃんも お姉ちゃんも 一番下の私に婿をもろうて 店ょを継がす魂胆らしいわ。」

安子「魂胆て…。」

きぬ「ええなあ 安子ちゃんは お兄ちゃんがおって。 好きな人のとけえ お嫁に行きゃあええんじゃから。」

安子「好きな人?」

勇「みんな入れ入れ わしのおごりじゃ!」

一同「わ~い!」

勇「おう あんこ。」

安子「安子じゃ!」

「わし あんころ!」

「草餅!」

「あっ わしも!」

勇「連勝記念じゃ。 隣の学校と試合して勝ったんじゃあ。 雉真選手 逆転のツーランホームラン!」

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