るいの部屋
和子「こないな狭い部屋で 堪忍やで。」
るい「とんでもない。 ありがたいです。」
和子「お布団は ここな。」
るい「はい。」
和子「何かあったら すぐ呼んでな。:
るい「あの~。」
和子「はい。」
るい「お店に立つ時… 前髪 上げんといけんでしょうか?」
和子「へっ?」
居間
平助「いや~ 分からんなあ。 ほかに なんぼでも ええ就職先ありそうやけどなあ。」
和子「あんた。」
平助「うん?」
和子「大事にしたげよな。 あの子のこと。」
平助「うん。」
翌朝
るい「あ… おはようございます。」
平助「おはようさん。」
和子「おはよう るいちゃん。」
平助「よう眠れたか?」
るい「おかげさまで…。 すみません。 お手伝いもせんと。」
和子「ああ ええから。 顔洗って来ぃ。」
るい「あっ はい。」
平助「よっしゃ 食おうか。」
和子「食べや。」
るい「頂きます。」
2人「頂きます。」
るい「はあ~。」
平助「どや うまいか?」
るい「おいしいです。」
平助「うん。 よっしゃ。 ヘヘッ。」
竹村クリーニング店
平助「ほれ。 一丁上がり。」
るい「何か 気持ちがええ。 こりょう受け取るお客さんの うれしそうな顔が見える気がします。」
和子「そない思えるんやったら あんたは この仕事でけるわ。」
西山「おう!」
平助「おう。」
西山「貼らしてもらうで。」
平助「新しいのん 来たか。」
西山「ああ。 よいしょ。」
平助「何や 宇宙活劇か。」
西山「うん うん。 おっ? そっちも新しい子か?」
和子「そうや。 そこの映画館の西山さんや。」
るい「あっ 初めまして。 雉真るいといいます。」
西山「こら ご丁寧に。 ヘヘヘヘッ。 割引券あげようか?」
和子「…んな けったいな宇宙人が 出てくるような映画 若い女の子が見るかいな。」
『かに~!』
『見つけたぞ!』
『お~! とう! とう! とう!』
『かに~。』
西山「ほな モモケンはどうや。」
平助「それも 今どきの若い女の子 見いひんやろ。」
るい「お茶いれましょうか?」
平助「ええ ええ ええ。 ほっといたら ええねん。」
西山「何でやねん。」
和子「さっき捨てたお茶っ葉 捨て いれ。」
西山「そやから 何でやねん。」
(笑い声)