連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第40話「1951-1962」【第8週】

和子「お客さんのお名前とご住所を必ず これ 書いてもらう。」

るい「はい。」

和子「で あったら… あったら 電話番号を ここにね。 あったらね。」

「こんにちは。」

和子「お越しやす。」

るい「いらっしゃいませ。」

「これ お願いします。」

和子「はい。 え~ ブラウスやね。」

「ここに 染みがついてもうて…。」

和子「あらあら。 ああ うんうん。 絹やね?」

「すいませんけど 明日の昼までに お願いできますやろか。」

和子「任しとき。」

「おおきに 助かります。」

和子「ほなね ここに お名前とご住所。 あったら電話番号。 ほなね はい おおきに。」

「そしたら お願いします。」

和子「はい。 赤ちゃん抱えて大変やなあ。」

るい「いつも来とられる人ですか?」

和子「いや 初めてや。」

るい「えっ しゃあけど…。」

和子「この胸の染みな これ 赤ちゃんが吐いたもんや。 見たところ職業婦人や。 これは 大事な仕事のために買うたブラウス。 鏡の前で合わせとったら 赤ちゃんが泣きだして だっこした途端に… ウワ~ッや。」

るい「いらっしゃいませ。」

和子「お越しやす。」

「これ お願いします。」

和子「はい。 え~ 背広…。」

るい「(心の声)『礼服いうこたあ 結婚式にでも行っとったんじゃろうか。 何で こねえに泥だらけに…。 あっ 結婚式で ぎょうさん飲んで 帰りに田んぼに落ちたんかも。』」

和子「え~っ 子供さんの… あら オーバーコート。 そしたらね こちらに…。」

るい「(心の声)この人ぁ 双子のお母さんなんじゃろうか。 何じゃろう? これ。 どっちのコートにも ちいとる。 あっ 犬の毛じゃあ。 犬う飼ようる家なんじゃなあ。 どねえな犬じゃろう。 コリーじゃろうか? きっと双子ちゃんと一緒に お散歩したり ころころ転げ回ったり しよんじゃろうなあ。」

和子「おおきに。」

「すいません。」

和子「お越しやす。」

るい「いらっしゃいませ。」

和子「クリーニングはな 売ったらしまいの商いとは違うて お預かりした服をきれいにして で また返さんないかん。 そやから どこの誰か ちゃ~んと尋ねて こないしてな 名前を縫い付けとくんや。」

るい「大変な作業ですねえ。」

和子「うん。 せやけど 一回やったら あとは楽や 常連さんは また出してくれはるから。」

るい「あっ そうか。」

和子「うん。 よっしゃ…。 ほれ。」

るい「ふ~ん…。」

和子「やってみるか?」

るい「はい!」

和子「はい。 これな。 はい。 よいしょ…。 指 刺したら 服が汚れてしまうさかい 気ぃ付けや。」

るい「はい。」

和子「うん。 ほな おばちゃんは 銀行やら用事済ましてくるわな。」

るい「あっ 行ってらっしゃいませ。」

和子「行ってらっしゃいます! フフフフフフ…。」

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