ジャズ喫茶・Night and Day
ホール
「いっつもありがとう。」
ベリー「なあ なあ なあ 見て 木暮さん。 今日のために あつらえてん。 このドレスも 靴も バッグも アクセサリーも。」
木暮「うんうん。 きれい きれい きれい。」
ベリー「今日こそ ジョーのハートを 撃ち抜いたるえ。」
木暮「はい はい はい。 おっ! え~ サッチモちゃん…?」
るい「こんにちは。」
木暮「見違えたなあ。 ああ あそこら辺 座っとき。 ステージ よう見えるから。」
るい「ありがとうございます。」
木暮「かわいい かわいい。」
トミー「ジョー。 ジョー!」
錠一郎「何?」
トミー「あれ あれ。」
錠一郎「あっ サッチモちゃん。 よかった 来てくれたんや。」
トミー「そやなくて。 地味にしてても あふれる気品。 ただもんやない思てたんや。」
錠一郎「ただもんやないって?」
トミー「岡山や言うてたな? 雉真るいって名乗ったな?」
錠一郎「うん。」
トミー「叔父さんが野球やってた言うたな? あれは絶対 雉真繊維のお嬢さんや。」
錠一郎「雉真繊維…。」
トミー「そや。」
錠一郎「…って何?」
トミー「もうええ。」
錠一郎「いや ちょっ… ちょっ…。」
ベリー「私は 高校の頃から この店通ってんねん。 京都に家あんのに わざわざ大阪の短大 選んだ。 何でやと思う? ジョーの才能を見抜いたからや。」
るい「はあ…。」
ベリー「気ぃ悪いわ。 音楽の素養もないクリーニング屋に ジョーの周り うろつかれたら。」
「皆様 お待たせいたしました。 ただいまより Night and Day サマーフェスティバルを開催いたします。 1組目は 夏にぴったり 鰻谷スウィンガーズ。」
(拍手)
(拍手)
「すばらしい演奏をお聴きいただきました。 続いては トミー北沢とブルーカメレオンズ!」
(拍手)
「キャ~! トミー!」
(拍手と歓声)
「トミー!」
「かっこいい! かっこいい!」
「キスして!」
「キャ~! かっこいい!」
トミー「ヘイ!」
「ヘイ!」
「ヘイ!」
「ヘイ!」