連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第103話「2001-2003」【第22週】

あらすじ

ハリウッド映画「サムライ・ベースボール」の日本人出演者オーディション前日。アクション監督の到着を待っていたひなた(川栄李奈)の前に現れたのは、10年前に俳優の道を諦めたはずの五十嵐(本郷奏多)でした。まさかの再会に、ひなたの心は大きく揺れ動きます。翌日、会場準備に勤(いそ)しむひなたは…。

103話ネタバレ

俳優会館

道場

ひなた「ぶ… 文ちゃん…?」

五十嵐「ひなた。 久しぶり。 元気そうだな。」

ひなた「な… 何で? えっ… ハリウッドのアクション監督て…!」

五十嵐「俺だよ。 まあ 正確には そのアシスタントなんだけど。」

<Ten years have passed since Hinata broke up with Igarashi. ひなたが五十嵐と別れてから 10年近くが たっていました>

五十嵐「変わってないなあ。」

ひなた「何でなん? 東京でお父さんの会社 手伝うんやなかったん?」

五十嵐「親父の会社は もともと うまくいってて。 覚えることは たくさんあったけど そんなに大変じゃなかった。 でも… つまらなかった。 朝は 虚無蔵さんにもらった木刀で 素振りしてた。 そして 夜は… トミー北沢のCDを聴いてた。」

ひなた「えっ? 文ちゃんがジャズを?」

五十嵐「ひなたのお父さんがくれたんだよ。 俺は 音楽には疎いのに… トミー北沢のトランペットに 夢中になった。 アメリカで録音したっていう そのCDを聴いてるうちに 親父の会社で 兄貴の下で働いてる自分が 何か ばかに思えた。 もっと広い世界があるのに 何やってんだろって。 それで 2年で会社辞めて アメリカに行った。」

ひなた「よう ご家族が許さはったなあ。」

五十嵐「許してくれなかったよ。 何度 同じ失敗を繰り返すんだって ほとんど勘当だった。 もちろん ハリウッドは太秦より ずっと厳しい。 言葉の壁も想像以上に大きいしね。」

五十嵐「それでも アジア人で 殺陣ができることは 武器になると思った。 まあ そんな簡単じゃなかったけど。 でも ここで やってきたことが 役に立ったよ。 死体役とか 斬られ役とか。 寒空の下の土左衛門とか。」

ひなた「あ…。」

五十嵐「どんなことでも いとわないでやってたら ニックが… あっ ミラー監督が気に入ってくれた。 あのころ見た夢は かなわなかったけど… ようやく自分の道を見つけられたよ。 あ~ そろそろ行くな。 ニックと打ち合わせがあるんだ。」

ひなた「あ…。」

五十嵐「ひなたも オーディション会場には いるんだろ?」

ひなた「うん。」

五十嵐「じゃあ 2日間よろしく。」

ひなた「うん。 はあ…。 (心の声)『っていうか…。 っていうか… っていうか… っていうか 文ちゃん…。』めちゃくちゃ かっこようなってへん!?」

榊原「うわあ!」

ひなた「榊原さん! す… すいません!」

榊原「どないしたん?」

ひなた「ごめんなさい。」

榊原「何? 急に。」

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