トミー「ほな 何で出えへんねん!」
「負けるん怖いんやろ!」
「出たら ええやんか!」
トミー「うるさい!」
木暮「トミー。」
トミー「トミー北沢は 親からクラシックをたたき込まれた。 大学でも 理論から何から勉強してきた。 けど 門前の小僧上がりの 大月錠一郎を超えられへん。 そない思って見下してんねやろ。 俺のこと。」
錠一郎「そうやないよ。 そうやないよ トミー。」
トミー「ほな 何や!」
錠一郎「…。」
トミー「やっぱり そうなんやないか。 ウイスキー ダブルで。」
木暮「はいよ。」
玄関前
ベリー「ジョー! ジョー…。」
錠一郎「ごめんね ベリー。 せっかく応援してくれてるのに。」
ベリー「何か心配事? 分かるわ それくらい。 ずっとジョーを見てきたんやもん。 ジョーだけを見てきたんやもん。 ジョーの考えてることくらい分かる。」
錠一郎「やめてくれ。 人のことが分かるなんて 簡単に言うな。」
公園
(打撃音)
「回れ 回れ! 回れ 回れ!」
「回れ!」
「回れ 回れ!」
「あっ 野球のおねえちゃん!」
「ピッチャー交代!」
「お前ら ずるいわ!」
「ずるい ずるい!」
(にぎやかな声)
「ピッチャー頼むで。」
るい「よ~し 任しとき。」
「頼むで!」
るい「よっしゃ~!」
「っしゃ~!」