吉之丞「百恵の100分の1が何か 歌てるぞ。」
一恵「吉之丞!」
ひなた「ちょっと吉之丞。 いっちゃんに ひどいこと…! フフ…。 フフ… いや 百恵の100分の1て ちょっと おもろい思て…。」
一恵「もう ひなちゃんまで。」
(笑い声)
ひなた「百恵が100で 一恵が1やから…。」
大月家
居間
テレビ♬『ババンババンバンバン』
テレビ♬『アービバノンノン』
テレビ♬『ババンババンバンバン』
♬~(テレビ 『8時ョ! 全員集合』のエンディング曲)
<ひなたの土曜日は あっという間に暮れます>
ひなたの部屋
<日曜日は 『英語会話』の放送はありません>
玄関
ひなた「行ってきま~す。」
るい「は~い。」
ひなた「いっちゃ~ん!」
広場
ひなた「どうなった!? マヤと亜弓さん どうなった?」
一恵「ちょっと やめてえな。」
ひなた「お願い! はよ読みたいねん。」
一恵「遅れてくるもんが悪い。」
ひなた「いっちゃ~ん。 友達やろ?」
修治「行くで 行くで!」
ひなた「どこ行くん?」
修治「賀茂川!」
哲也「ザリガニ捕り!」
ひなた「ザリガニ!?」
大月家
回転焼き屋・大月
るい「ひなた。 どないしたん それ。」
ひなた「ザリガニ捕りしててん。」
るい「何匹捕れたん?」
るい「はよ着替えなさい。」
ひなた「は~い!」
居間
テレビ♬『ホラホラ みんなの声がする サザエさん サザエさん サザエさんは 愉快だな』
<ひなたの日曜日は あっという間に暮れます>
るい「ひなた。 はよ食べて お風呂入りなさいよ。」
ひなた「『母をたずねて』見てから。」
るい「はあ… もう テレビばっかり見て。」
錠一郎「マルコ 果たして船に乗れるやろかな。」
ひなた「なあ。」
るい「ホンマや…。」
ひなた「なあ。」
るい「ひなた。 はよ食べなさい。」
ひなた「は~い。」
居間
ひなた♬『朝ぼくを おこしたおひさまが ほら もう ま上 いま かあさんを』
るい ひなた♬『おこしてるんだ はるかな国の空にのぼって』
ひなた♬『かあさん おはよう』
錠一郎「あっ ひなた。 ひなた。 ひなた。 それ 昼間 いっちゃん持ってきてくれたで。」
ひなた「あっ 『ガラスの仮面』!」
ひなたの部屋
ひなた「わあ~。」
翌日
♬~(ラジオ『英語会話』のテーマ音楽)
ラジオ・東後『Hello, everyone. Welcme to our English conversation program. How are you today?』
錠一郎「ひなた~。 ラジオ始まってるで~。」
<月曜の朝 ひなたは 『英語会話』の時間に 起きることができませんでした>
錠一郎「ひなた~。」
ひなた「明日は ちゃんと聴く…。」
小学校
(チャイム)
<せめて テキストは読んでおこうと 思いましたが…>
<夜 家でやろうと思いましたが…>
大月家
居間
『ノストラダムスの大予言。 1999年7の月 空から恐怖の大王が降ってくる。 ご存じですか? 皆さん…』。
るい「ひなた。 怖いの見たら寝られへんようになるよ。」
錠一郎「えっ。 えっ えっ… 1999年って何年後や。」
ひなた「23年後。」
テレビ『今夜は この予言を 徹底的に解剖し 恐怖の大王の実態について 迫りたいと思います』。
ひなた「34歳…! わあ…。」
『番組取材班は 世界中の研究機関から情報を集め…』。
翌日
ひなた「ほっ ほっ。 はっ ほっ…。」
錠一郎「おう… 見な テレビ。」
ひなた「あ~。」
るい「はよしなさい。 遅刻するよ。」
ひなた「分かってる。 う~ん…。 あ~あ。 学校なんか行ったかて あと23年で 地球は滅亡すんのに。 はあ…。」
♬~(テレビ)
るい「しょうもない口答えしなさんな!」
ひなた「恐怖の大王は うちにいた!」
<こうして結局…>