連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第72話「1976-1983」【第15週】

居間

るい「まあ 最初は こんなもんや。 回転焼きかて 年季がいるんやで。」

『ごちそうさまでした。』

るい「おおきに。 ありがとうございました。 18年間 いっぺんも手伝わへんかったもんが 気まぐれに焼こうとしたかて 上手にできるわけあらへんわ。 その失敗したやつ 台所へ持っていっといて。 おやつ用に作り直すさかい。」

(すすり泣き)

るい「ひなた?」

ひなた「お母ちゃん…。 どないしよ。 私…。」

るい「えっ?」

ひなた「こんなんで 私… これから どないして生きていこう…。」

(泣き声)

るい「ちょっ… ひなた?」

錠一郎「おう ひなた。」

桃太郎「あっ お姉ちゃん。」

道中

ひなた「(心の声)『情けない…。 情けない。 情けない。 回転焼き屋の娘やのに。 ずっと お母ちゃんの仕事 見てきたはずやのに。 こんなんやったら 私… お先 真っ暗や!』」

<お先 真っ暗な ひなたが来たのは やっぱり映画村でした>

太秦映画村

(自動音声・黍之丞)『暗闇でしか 見えぬものがある』。

『暗闇でしか 聴こえぬ歌がある』。

『黍之丞… 見参!』。

<聞き慣れた そのせりふが 今日は 心にしみました>

♬~(自動音声『棗 黍之丞』のテーマ音楽)

ひなた「侍のように りんとして 弱音を吐かず こうと決めたことは 命懸けで やり遂げる。 そういうものに… 私は… なりたい。 はあ…。 うん?」

ひなた「『ミス条映コンテスト』…? 見つけたかも…。」

<ひなたは 目標を見つけた… かもしれません。 Hinata had found what she wanted to be… or so she thought>

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