連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」第74話「1983」【第16週】

「そなたを幸せにしたい。」

回想

「もしかして 焼いたことないの? ハッ うそだろ。」

回想終了

「おすず。 ついてきてくれるか。」

回想

「ふ~ん。 引き算はできるんだ。」

回想終了

ひなた「誰が… 誰が お前なんかについていくかあ! たあ!」

「うおっ! うっ…。 ぐわあっ!」

(笑い声)

ひなた「あ…。 あっ。 し… 進之介様! 進之介様!」

(笑い声)

ひなた「進之介様~! 進之介様? 進之介様~。 やってしもた…。」

(笑い声)

ひなた「進之介様~。 進之介様~!」

司会者「発表します!」

(ドラムロール)

司会者「ミス映画村 条映城のお姫様に選ばれたのは… エントリーナンバー9番 高山理恵さんで~す!」

(拍手)

アシスタント「高山さん どうぞ 前へお越しください。」

司会者「おめでとうございま~す!」

アシスタント「ミス条映に選ばれた高山さんには 優勝賞金50万とともに 『黍之丞』シリーズにも ご出演いただきます。」

司会者「おめでとうございます。 それでは 高山さん 選ばれた今のお気持ち ひと言お願いします。」

高山「ありがとうございます。 夢みたいです。 条映の時代劇は 誰もが一度は見た事のある名作で 私自身 大好きな作品が たくさんあります。 これから 私も その作品の一つに参加できると思うと…。」

ひなた「おめでとうさん。 あの! すいませんでした。 変なお芝居につきあわせてしもて…。」

「そのばか面。」

ひなた「(心の声)『ばか面?』」

「どっかで見たことあると思ったら 回転焼き屋の娘か。 どうりで。」

ひなた「どうりで?」

「ばかだと思った。」

大月家

居間

錠一郎「落ち込むことないで ひなた。 あんなに会場沸かせたん ひなただけやねんから。」

るい「そうなん?」

錠一郎「うん。」

一恵「ホンマ 大した舞台度胸やわ。」

小夜子「感心したえ。」

ひなた「そういうコンテストやあらへんし…。」

一恵「けど きれいやったな。 あの優勝した子。」

小夜子「ホンマ。」

桃太郎「小夜ちゃんも出ればよかったのに。」

小夜子「えっ?」

桃太郎「会場で一番 小夜ちゃんが べっぴんさんやったもん。」

るい「何やの 桃太郎。 えらい ませたこと言うて。」

小夜子「フフッ ありがとう。 桃ちゃん。 フフフッ。」

るい「食べて 食べて。」

一恵「頂きます。」

ベランダ

<コンテストで落選したことが ショックだったのではなく あまりショックではないことが ショックでした>

ひなた「その程度の覚悟やったんやな… 私。」

<いつになったら 自分の道を見つけられるのか 18歳のひなたには 深刻な問題でした>

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