算太「あんた 何のために このCMを企画したんや?」
榊原「えっ? そら… より多くの人に 来場してもらうために。」
算太「ほう~。 そうじゃろう。 それじゃったら こねえなもんじゃあ おえん。」
榊原「おえん?」
算太「ああ。」
「おい! 何や その男は。」
算太「何やとは何や おらあ! わしゃ ダンゴちゃんの親友じゃ。」
ひなた「ダンゴちゃん?」
剣之介「すいません。 私のことです。」
算太「ダンゴちゃん ここは わしに任しとけえ。」
俳優会館
稽古場
五十嵐「えい! やっ!」
虚無蔵「何とした文四郎。 集中しておらんようだな。」
五十嵐「すみません。 今 モモケンさんの コマーシャル撮りしてるらしくて…。 すみません! 集中します。」
太秦映画村
「はい 本番いきま~す!」
「よ~い スタート!」
(カチンコの音)
剣之介「映画村でしか 見られぬショーがある。 映画村でしか 買えぬ土産がある。」
剣之介「条映太秦映画村。 どうぞ お運びください。」
一同「Come and enjoy the Samurai Park!」
「カット!」
(カチンコの音)
「オッケー! お疲れさまでした~!」
五十嵐「斬新だな…。」
ひなた「五十嵐。」
算太「さすがや。 さすが ダンゴちゃんや。」
剣之介「ありがとうございます。」
ひなた「っていうか 何もん? あの おっちゃん…。」
算太「わしに任してえたら 間違いねんじゃ。」
剣之介「これは 来年の映画の宣伝にも 協力してもらわねばなりませんな。」
算太「映画?」
轟「モモケンさん!」
剣之介「いいじゃないですか 轟さん。 そろそろ映画村の皆さんには 知ってもらったって。 テレビの申し子といわれた モモケンこと 二代目 桃山剣之介。 劇場用映画制作をすることと 相成りました。」
(拍手と歓声)
ひなた「それは 『黍之丞』の映画ですか!?」
剣之介「そのとおり 私の父である先代 桃山剣之介の遺作 『妖術七変化 隠れ里の決闘』。 これを 二代目である私の主演で 再映画化します!」
(拍手と歓声)
剣之介「乞うご期待。」
ひなた「『妖術七変化』…。 あっ…。」