畑野「はい! そしたら 次 役 交代します。 29番さんが黍之丞。 30番さんが左近で お願いします。」
虚無蔵「はい。」
轟「よ~い…。」
剣之介「30番さんは 一度は左近を演じたお人。 ひとつ 私がお相手いたしましょう。」
ひなた「何で…?」
サンタ「長かったのう…。」
ひなた「えっ?」
サンタ「20年。」
轟「よ~い スタート。」
剣之介「『暗闇でしか 見えぬものがある。 暗闇でしか 聴こえぬ歌がある』。 『黍之丞 見参』。」
虚無蔵「『現れたな』。 とりゃ~! 『うりゃ~!』。 う~… はっ!」
剣之介「はっ!」
回想
(すすり泣き)
(泣き声)
サンタ「う~ん うるせえのう…。」
(すすり泣き)
サンタ「後学のために聞きてんじゃけど… この映画 どけぇ そねん感激しよんなら? うん? まあ 確かに殺陣は見事じゃったあ。 さすがはモモケンじゃ。 わしゃあ デビューの頃から目ぇつけとったんじゃ。 ありゃあ 阪妻もアラカンも 超える逸材じゃあ言うて。 ヘッヘッヘッヘッヘッ…。」
サンタ「あんた 団五郎じゃろう? モモケンのせがれの。 え~? ハッハッハッ。 何ゅう 泣きょんなら? はっはあ~ 分かった。 親父さんが 無名の俳優と あねえ見事な殺陣をやったもんじゃから やきもちゅう やきょんじゃろう。」
団五郎「う…。」
(泣き声)
団五郎「はあ~ あ~あ。」
回想終了