リビング
池月「わざわざ すみません。」
関口「いえ たまたま1台余ってましたから。」
池月「助かります。」
一駒「あら 関口さん わざわざ ごめんなさいね。」
関口「いえ これも仕事のうちなんで。 美羽さんにも ちょっと用事がありましたし。」
<えっ…>」
一駒「ミワさんに?」
関口「はい。 今 どちらに?」
池月「どこですかね。」
<まずい… 会社の人は きっと 採用した さくらさんの顔を 知っているはず。 っていうことは 顔を見られたら 一発で偽物だとバレてしまう>
ミワ「あっ。 えっ どうしよう…。」
控え室
<美羽さくらは帰ったことにして 私は更に他人のふりをする? いや そんなウソは すぐにボロが出る。 ああ どうしよう。 どうしよう どうしよう…>
(ノック)
関口「お疲れさまです 関口です。」
ミワ「あっ えっと…。」
関口「ちょっと 今 お話 よろしいですか?」
ミワ「ご… ご用件は何でしょうか。」
関口「美羽さんだけ働き方アンケートが まだ提出されたなくて。 出して頂きたいんですよ。」
ミワ「あ…。」
<そんなの知りません…>
ミワ「家にあるかもしれないので 見ておきますね。」
関口「メールでお送りしてまして。」
ミワ「あっ そうなんですか。」
関口「はい。 スマホで すぐ回答できますので。」
ミワ「あっ はい。」
関口「今 できますか?」
ミワ「手元にスマホがないので 後で やっておきます。」
関口「分かりました。 お疲れさまです。」
ミワ「ふう…。」
<アンケートは さくらさんのところに 来てるってことか。 後で聞いておかなきゃ>
ミワ「はあ…。」
関口「美羽さん。」
<まだいた! ウソ… 何で? どういうこと?>
関口「故障した掃除機なんですが ちょっと私に見せて頂けませんか? こういうの直すの得意なんで。」
<掃除機>
<顔を見られずに 掃除機を渡すなんて無理。 もはや ここで終わりなのか…>
回想
八海「ミワさん? 家政婦のお仕事 このまま続けてもらえませんか。」
回想終了
<いや こんなところで諦めちゃダメだ…>
関口「美羽さん?」
ミワ「今… 今 渡します。」
関口「どうしました?」
<八海サマ ごめんなさい。 やっぱり もう 無理です>