ミワ「さもしい…。」
雲海「色欲!」
ミワ「えっ?」
雲海「そして罪悪感!」
ミワ「えっ!?」
雲海「あんた 今にも その罪悪感に 押し潰されそうな顔してるねえ。」
ミワ「そうなんですか。」
雲海「でも まだ その罪を告白することはできない。 そして まだ その甘い蜜を味わっていたい。 そうだね?」
ミワ「どうすれば いいですか?」
雲海「その先は…。」
ミワ「高っ!」
雲海「ふふ…。 迷ったら いつでもいらっしゃい。」
ミワ「失礼します。」
紀土「あれ ミワちゃん? あっ やっぱ ミワちゃんじゃん。」
ミワ「き… 紀土くん。」
<あっ 一応 私の元カレ?>
居酒屋 酒地獄
紀土「今日 たまたま飲み会の帰りでさ。 あっ お通しはカットで。」
店員「あ… こちら 必ずお出ししてまして。」
紀土「いつも言ってるんだけど それ おたくのルールですよね?」
店員「はい。」
紀土「法律で決まってるわけじゃないですよね?」
店員「はい…。」
ミワ「紀土くん。」
紀土「僕が注文したわけじゃないんで いらないです。」
店員「あっ えっと…。」
ミワ「もらいます 二人分。」
紀土「えっ もったいなくない? いいの?」
ミワ「お通しは2つ 私が払うから。 ほかを割り勘にしよ。」
紀土「OK。 じゃあ 生2つで。 いいよね?」
店員「生お二つで。」
紀土「そうやって無駄な気遣いするとこ つきあってた時から変わんないよね。」
ミワ「紀土くんも変わんないよ。 絶対に正論を曲げないとことか。」
紀土「ああ そう? あっ ミワちゃん まだフリーターやってんの?」
ミワ「うん。」
紀土「ほら 何か さっき占いやってたじゃん? 人生迷ってんのかなと思って。」
ミワ「ん~ そんなことはないけど。」
紀土「相変わらず毎日見てんの? 映画。」
ミワ「うん 見てるよ。」
紀土「ヤッバ。 毎日でしょ? さすがだね。」
ミワ「そう?」
紀土「マジでさ いいかげん 卒業したほうがいいって 映画なんか。」
店員「お待たせいたしました 生ビールお二つです。」
紀土「あっ 今日 半額券 使えるよね?」
店員「あっ お会計の時で。」
<何か また地獄の予感。 やはり苦手だ… この感じ>
紀土「あ~。 もうそろそろ地に足着けてさ 真剣に将来のこと 考えたほうがいいと思うよ。 もう若くないんだしさ。」