連続テレビ小説「なつぞら」第143話「なつよ、この十勝をアニメに」【第24週】

なつ「でも いいの? お兄ちゃんの事務所に 所属してる人じゃないんでしょ。」

咲太郎「そんな小さいこと言うなよ。 俺たちの仕事は 自分の利益だけを 求めることじゃないんだ。 俺たちの仕事は なつたちと同じように 作品を よくすることを 一番に考えることなんだよ。」

光子「それが 結局 信用を生むのよ。 咲ちゃんは それをやってきた人だから 今があるの。」

なつ「お兄ちゃん… さすが!」

咲太郎「今頃言うなよ ハハ…。」

<主人公 ソラの役は 声優初挑戦の若手女優 白本知香子に。>

レミ子『父さんも母さんも死んだんだ』。

<レイの役は 今や売れっ子の土間レミ子に。 お義母さんの役は ベテランの亀山蘭子に。>

島貫『新しい土地へ』。

<お父さんの役は 島貫健太に決まりました。 こうして 放送日は 刻一刻と迫ってきました。>

マコプロダクション

作画室

なつ「じゃ 原画のAパートを なるべく早く上げてもらってきて下さい。」

石沢「はい 回収しに行ってきます。」

なつ「お願いします。」

神地「なっちゃん ちょっといい?」

なつ「はい。」

神地「この牛なんだけどさ どうしたら もっと迫力が出るかね。 リアルに描こうとすると どうしても かわいく見えちゃうんだよね。 表情を怖くすると ギャグ漫画になっちゃうし。」

なつ「これは ソラの目から見た牛でしょ?」

神地「そう 突然襲ってくる。」

なつ「牛は かわいいけど 子どもの目から見ると 本当に大きくて それだけで迫力があるの。 だから もっと大きく見えていいと思う。」

神地「なるほど 子どもの気持ちに立って 牛を大きく描いてみるか!」

なつ「うん。 劇画タッチのものを描いてる時は いつも そういう誇張を リアルに描くことばかり考えてたから。」

神地「なるほど… いや さすが 『キックジャガー』や『魔界の番長』の経験が 生きてるじゃない。」

なつ「そこは 徹底的にやりましたから。」

神地「よし それでやってみる。」

なつ「お願いします。」

神地「これで どう?」

なつ「うん…。 おお…。 牛が ぐんと迫ってくる感じが よく出てる! さすが神っち! 今度は 子どもの気持ちをよく捉えてる。」

神地「僕には 子どもがいないけど 子どもには いつだってなれるからね。」

なつ「どう? イッキュウさん。」

坂場「うん?」

なつ「牛の大きさを誇張してあるけど。」

(笑い声)

坂場「これは これで ありです。 面白い。 これで いきましょう。」

神地「よっしゃ!」

麻子「作画監督として いろいろな奥原なつらしさを 身につけてきたわね。」

なつ「いや 神っちの力ですよ。」

神地「オホホ!」

下山「よし 負けないぞ ハハハ…。」

麻子「ハハハ…。」

坂場「神っち はい。」

下山「なっちゃん これ どうかな? 牛に なめられるところなんだけど レイが。」

なつ「ハハハハ…。」

下山「やり過ぎかな?」

なつ「いや 私は ありだと思います。 さすが下山さんです。」

下山「本当?」

なつ「イッキュウさん。」

坂場「はい。」

(笑い声)

神地「確かに こんなの 下山さんにしか描けないよ。」

麻子「らしくはあるけど…。」

坂場「これも これで ありです。 面白いです。」

下山「よし! ハハハハ… よかった。」

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