連続テレビ小説「なつぞら」第19話「なつよ、女優になれ」【第4週】

子供部屋

<なつは 時々 今でも 本当の兄に 手紙を書いていました。 送り先は 子どもの頃いた孤児院です。 そこには もう 兄がいないことを知っていながら だけど そこしか 連絡先がなかったのです。>

なつ『お兄ちゃん 久しぶりに 手紙を書きます。 私は 農業高校の3年生で 来年の春 卒業です。 卒業しても しばらく この家で働くと思います。 私は 大事にしてもらった 柴田家の家族に まだ 何も恩返しが できていません。 だから ここにいると思います。 この牧場で じいちゃんの夢だった バター作りをしているかもしれません』。

なつ『お兄ちゃんと千遥に 今でも毎日 会いたいです。 会いたく 会いたくて たまりません』。

明美「う~ん う~ん…。」

十勝農業高校

廊下

良子「なっちゃん 今日も演劇の練習かい?」

なつ「うん そう。」

良子「張り切ってるね。 楽しそうだね。」

なつ「練習はきついよ。 よっちゃんも やんない?」

良子「えっ? いいよ 私なんて。 お誘いもないし…。」

雪次郎「誘われたいの?」

良子「誰も そんなこと言ってないっしょ!」

雪次郎「一緒にやる?」

良子「いいよ。 ついでみたいに言わないでや。」

雪次郎「ついでじゃねえよ。 裏方は たくさんいた方がいいんだから。」

良子「裏方?」

なつ「よっちゃん よかったら 本当に手伝ってよ。」

良子「おう。 そうね まあ 考えてもいいけど。」

なつ「うん?」

良子「どんなお芝居すんの?」

なつ「それが まだ 台本も出来てないのさ。」

良子「そうなんだ。」

なつ「うん。 よいしょ。」

良子「何よ あんたら?」

雪次郎「何だ 君たち 1年生だろ。」

「門倉さんがお呼びです。」

雪次郎「門倉…? 角倉って あの?」

なつ「え… どの?」

<それは バンカラな校風を誇る勝農において 番長と呼ばれている3年生でした。>

学校裏

門倉「お前らは もう行っていい。」

「失礼します。」

良子「あなたは 農業科の門倉 努さんよね?」

雪次郎「あの~ 何でしょうか?」

門倉「演劇部に 入ったそうじゃねえか。」

雪次郎「あっ はい!」

門倉「おめえに聞いてんじゃねえ!」

良子「あっ 私は まだ…。」

門倉「お前にも聞いてねえ。 もう一人は? どうなんだよ。」

なつ「それが あんたに関係あるんですか?」

雪次郎「おい…!」

良子「なっちゃん…。」

門倉「女を入れていいと思ってんのか?」

なつ「はい? ダメなの?」

門倉「おめえに聞いてんだ 演劇部!」

雪次郎「ああ あの… 僕じゃなくて 倉田先生が…。」

門倉「いいのかって聞いてんだよ!」

なつ「ダメなのかって聞いてんのさ!」

門倉「あ?」

なつ「女が 演劇をやってはダメなんですか?」

門倉「農業高校が ナメられんだろうが。」

なつ「誰に ナメられるんですか?」

門倉「そりゃ… 世間様にだ!」

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