なつ「世間様って あんたは何様ですか?」
雪次郎「なっちゃん!」
良子「この人は 熊と サケを取り合って 勝ったって伝説がある人だよ。」
なつ「だからって 敬語使う必要ないしょ。 同級生なんだから。」
門倉「おめえら この学校 何しに入った? 演劇なんて 人前で抱き合ったりすんだろ!」
なつ「やらしい… そんなこと想像してんだ。 う~わっ。」
門倉「あっ… おめえら FFJの精神はあんのか!?」
なつ「あるわよ!」
門倉「FFJの意味を言ってみれ!」
なつ「フューチャー・ファーマースオブ・ジャパン! 我々は 日本学校農業クラブの一員です!」
門倉「斉唱! そ~れ!」
♬『みのる稲穂に富士と鳩 愛と平和を表した 旗はみどりの風に鳴る 土にとりくむ若人の』
<ちなみ これは 校歌ではありません。 全国の農業高校生が 全員所属する 農業クラブの歌です。」
♬『意気と熱とがもりあげた エフ エフ ジェイ エフ エフ ジェイ 我らの誇り』
門倉「あ~い!」
雪次郎「あ~い!」
良子「あ~い!」
なつ「あ~い!」
門倉「よし!」
演劇部
雪次郎「失礼します。 遅れてすいません。」
なつ「先生 私のほかにも 手伝いたいという人を連れてきました。」
倉田「えっ?」
なつ「どうぞ。」
倉田「居村良子と 門倉 努か。」
雪次郎「大道具でも 何でも やってくれるそうです。」
なつ「門倉君は こう見えて 真面目な生徒です。」
倉田「知ってるよ。 そうか 門倉 よろしく頼む。」
門倉「押忍!」
倉田「うん。 居村 よろしく頼む。」
雪次郎「先生。」
倉田「うん? 稽古しないんですか?」
雪次郎「ああ 今日はいい。 やっと 台本が上がったところだ。」
なつ「おお~ 出来たんですか?」
倉田「うん。」
雪次郎「やりましたね 先生。」
倉田「これを みんなで清書すれば完成だ。」
なつ「『白蛇伝説』…。 早く読みたいです。 読ませて下さい!」
雪次郎「なっちゃん 慣れねえと 全く読めねえだろう。」
なつ「黒板の字は読めるのに…。」
倉田「あれは 読めるように書いてるからな。 それは 魂で書いてるからだ。」
なつ「分かりました。 なら 魂で読みます!」
倉田「よし。」
<なつよ さあ 次は お前が 魂を見せる番だ。>