連続テレビ小説「なつぞら」第19話「なつよ、女優になれ」【第4週】

柴田家

新牛舎

なつ「よいしょ。 ああ…。 ああ… あ~ 痛い 痛い 痛い…。」

悠吉「どうした? なっちゃん。 急に年取ったみたいだもな。」

なつ「若いから やってけてんのさ。」

菊介「演劇の練習 そんなに きついんかい?」

なつ「それが 全く 訳が分からん。 走ったり 腕立て伏せをしたり 人を持ち上げながら 声を出して腹筋したり。 演劇って 何なんだろう。」

富士子「そんなに つらいなら ここの仕事 しばらくいいよ。 あんたの分ぐらい なんとかなるから。」

悠吉「そうだ。 任せろ なっちゃん。」

菊介「今まで 何もしてこなかったもな なっちゃんは。 自分のことは 何も。」

なつ「なんも なんも。 ずっと好きなことしてたべさ 私は。 牛の世話も好きだし そのために 学校も通わせてもらってんだから。」

泰樹「今のお前の仕事は 演劇で 主役をやることだ。」

なつ「じいちゃん… 主役って何?」

泰樹「えっ? 楽しみにしとるぞ。」

なつ「無理だって そんなの 私 演劇やったことないんだから。」

泰樹「だから 人一倍 頑張るんだよ。 やるからには1番を目指さんと つまらん。 ハハハ…。」

<なつが 演劇を始めたのは 農協に勤める剛男さんと 泰樹さんのもめ事が原因でした。>

詰め所

富士子「はい たまったよ。」

<牧場の牛乳を これまでどおり 独自に売るべきか それとも 農協が まとめて売るべきか それが問題でした。>

音問別農協

剛男「農協による共同販売は 決して 皆さんの不利益に なることではありません。 これは 生産者が メーカーに のみ込まれないためにすることなんです。」

「だったら どうして ここに 柴田さんは いないんだべか?」

一同「そうだ!」

「あんた 自分の家は反対しておいて 何言ってるんだ!」

一同「そうだ!」

田辺「まあ 皆さん 柴田さんのことは置いといて ここは もう一度 我々だけで 現状の問題点を話し合いませんか?」

「組合長 今はね メーカーは どんなことをしても 牛乳を買いたい時代だよ。 それなのに 我々は 農協に一任して 柴田さんだけが 自由に もうけていい という法はないだろうが!」

<泰樹さんと農協の問題は ますます こじれてゆくようでした。 なつは おじいちゃんのために 演劇という表現を通して その答えを見つけようとしているのです。>

柴田家

照男「なつ。」

なつ「うん?」

照男「じいちゃんに あんまり期待持たせんなよ。」

なつ「えっ 主役のこと?」

照男「牧場のことだ。 じいちゃんは お前に この牧場を継いでもらいたいんだわ。」

なつ「えっ?」

照男「それは お前も分かってるべ?」

なつ「分かんないよ そんな。 ここには 照男兄ちゃんがいるし 私が継ぐなんてことは…。」

照男「じいちゃんは お前に期待してんだ。 それでいいのか? お前は。 ずっと この家にいていいのか?」

なつ「どういう意味?」

照男「そんなことも 今から考えとけって言ってんだ。」

なつ「そんなこと言われても…。」

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