連続テレビ小説「なつぞら」第38話「なつよ、今が決断のとき」【第7週】

なつ「そじゃなくて… 今すぐの話じゃなくて そのうち 何年かしたら…。 私を 東京に行かして下さい。」

剛男「なつ それは つまり 東京で暮らすということかい?」

なつ「はい。」

剛男「東京行って どうしたいのさ?」

なつ「うん… あの…。 私は これから… お兄ちゃんを支えたいと思ってる。」

富士子「咲太郎さんと暮らすのかい?」

なつ「暮らすかどうかは まだ…。 ただ ちょっとでも近くにいて お兄ちゃんの力になれたらって…。 それから 妹の千遥も捜して 3人で会えたらいいなって…。」

富士子「それは 分かるけど…。」

剛男「何で そのうちなんだ? 何年かしたらって どういうことなんだ?」

なつ「だって 農業高校まで行かしてもらって まだ 何もしてないのに…。」

泰樹「その必要はねえ。」

なつ「えっ?」

泰樹「行きたきゃ 行けばいいべ。」

なつ「じいちゃん…。」

泰樹「お前に 牛飼いをさせたのは わしの勝手じゃ。」

なつ「いや…。」

泰樹「これ以上 わしの勝手に つきあうことはない。」

なつ「ねえ じいちゃん そったらこと 私は…。」

泰樹「牛飼いと お前は 何も関係ねえ。 このうちとも関係ねえ。 出ていきたきゃ 出ていけばいいべ。 行くなら すぐ行け。」

剛男「お義父さん!」

泰樹「お前の顔は もう二度と見たくない。」

富士子「ちょっと…。」

泰樹「勝手に出ていけ!」

なつ「分かった… 分かりました…。 どうも すいませんでした。」

富士子「なつ!」

子供部屋

富士子「やめなさい! どうするの…。 今すぐ出てくの? どこ行くの? こんな時間に 出ていけば みんなに 迷惑がかかることぐらい もう分かるべさ!」

なつ「だけど…。 ここには もう 申し訳なくていらんない…。」

富士子「したら これで 帳消しにすればいいべさ!」

剛男「富士子ちゃん!」

富士子「出ていくあんたに 申し訳ないなんて言われるくらいなら 憎まれた方が よっぽど ましだわ…。 一人で苦しみたいなら 家族はいらないっしょ…。」

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