連続テレビ小説「なつぞら」第61話「なつよ、アニメーターは君だ」【第11週】

おでん屋・風車

1階店舗

なつ「ただいま!」

亜矢美「あっ お帰りなさい。」

照男「お帰り!」

砂良「お帰んなさい!」

なつ「もう来てたの?」

照男「今 着いたとこだ。

なつ「照男兄ちゃん 砂良さん 結婚おめでとう! 私は 本当にうれしい!」

砂良「ありがとう。」

なつ「ありがとうは こっちさ。 こんな照男兄ちゃんなんかと 結婚してくれて ありがとね 砂良さん。」

照男「おかしいべや その喜び方は。」

なつ「えっ? ハハ…。 結婚式行けなくて ごめんね。 仕事が 一番忙しい時で。」

照男「いいんだ。 畑仕事が忙しくなる前にって 式を急いだ俺が悪いんだ。」

なつ「次の冬まで待てなかったの?」

照男「う~ん 待てなかったな。 お前も言ってたべ 善は急げって。」

なつ「そんなこと言ったっけ?」

照男「うん。」

なつ「逃げられるって思っただけっしょ?」

照男「うるさい!」

(笑い声)

なつ「柴田牧場は変わりない? みんな元気?」

照男「向こうは 何も変わらん。」

なつ「そう…。」

柴田家

居間

砂良「どうぞ よろしくお願いします。」

悠吉「やったな 照男君! おやっさん これで柴田牧場は安泰だべさ。」

泰樹「うん…。」

明美「あ~ 私も見たかったな ラブレター熊。」

菊介「よし 菊介さんが 今度 明美ちゃんの熊になってやるべ。」

明美「菊介さんのシャケは 別にいらん。」

菊介「何でよ…。」

(笑い声)

剛男「弥市郎さんも 反対してないんかい? 砂良さんは 弥市郎さんの仕事には欠かせないべさ?」

砂良「私が 勝手に 彫刻を手伝ってただけですから。 父は ずっと 私の好きなように生きろと 言っていました。 彫刻は続けたいんですが… 時々 父を手伝いに行ってもいですか?」

富士子「それは もちろん。」

剛男「うちに来たって 好きに生きてくれるのが一番だ。 照男を選んでくれたことが 何より うれしいんだから。」

(笑い声)

詰め所

泰樹「砂良さん。」

砂良「はい。」

泰樹「なつに会ったら… このバターは 砂良さんと 3人で作ったもんだと言って 渡してやってくれるかい?」

砂良「3人で?」

泰樹「なつの夢を 砂良さんが受け継いでくれたら 何より あいつが ほっとするべ。」

おでん屋・風車

1階店舗

なつ「3人で…。 あ~ 懐かしい…。」

亜矢美「ん? ん? う~ん うん…。」

照男「それから これは 天陽からだ。」

なつ「えっ?」

照男「なつのお兄さんにも 食べてもらいたいって。」

亜矢美「テンヨー君っていうのは? ん?」

砂良「あ… なっちゃんの恋人です。」

亜矢美「恋人?」

なつ「いや… そんなんじゃないですってば!」

亜矢美「分かりやすい てれ方。」

なつ「いや… あの 天陽君は 私の 何て言うか… 目標とする人です。」

亜矢美「目標ってのは結婚かい?」

なつ「違います。 仕事が目標。」

亜矢美「え~…。」

なつ「あれ? それも違うか…。」

砂良「話を変えようか?」

なつ「砂良さんのせいでしょや!」

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