富子「奥原さん… あなたは 作画に行きたいんじゃなかったっけ?」
なつ「あ いえ… 作画になりたいとは思ってますが もちろん 仕上げも ちゃんとやりたいです。 仕上げで使える人間になりたいです。」
富子「自信があるの?」
なつ「う~ん… やってみなければ分かりませんが ずっと 動画のクリーンナップの練習を してたので きれいに線を描くのは 大丈夫だと思います。 というより… 思いたいです。」
富子「あら そう。 なら ここに座って やってごらんなさい。」
なつ「はい。」
富子「これを描いてみなさい。」
なつ「はい。」
富子「墨をすって そのペンで描いてみて。 正確にね。」
なつ「はい。」
富子「1回ごとに ペン先をスポンジで拭いて。」
なつ「はい。」
富子「へえ~。 なかなか うまいじゃない。」
なつ「ありがとうございます!」
富子「それじゃ もう一度 同じ絵を描いてごらんなさい。」
なつ「おんなじものを?」
富子「そう。」
富子「それじゃ もう一回 同じものを。」
なつ「はい…。」
富子「もう一回。 もう一回。 それじゃ もう一回。 それじゃ もう一回。」
<なつは 同じ絵を 10枚も描かされました。>
富子「それじゃ トレースしたセルを 全部重ねてごらんなさい。」
なつ「はい。」
なつ「ああっ…。」
<なつよ 線が ずれまくってるぞ。 まだまだってことだな。>