なつ「それは まだ これから 恥ずかしくてさ…。」
雪次郎「すぐ知らせなきゃ! うちにも知らせるわ これ買うようにって。 いや これ 帯広でも買えるべな? これ。」
なつ「うん 多分…。 ねえ 演劇は? 楽しくやってんの?」
雪次郎「えっ? 何で そんなこと聞くんだ?」
なつ「うん…。」
雪次郎「何か聞いたのか? 咲太郎さんや レミちゃんから…。」
なつ「うん。」
雪次郎「俺と蘭子さんのことだべ? まあ そういう うわさになってるのは知ってる。」
なつ「うん。」
雪次郎「でも 何でもねえんだ。」
なつ「あっ そうなの? 何だ…。」
雪次郎「なっちゃん。 俺はな あの人に 早く追いつきたい。 俺の中に強くある思いは 魂は やっぱり そこなんだわ。 なっちゃん… 好きだ何だと そったらこと言ってる場合でねえんだ。」
なつ「そう…。」
雪次郎「うん。 芝居が好きなように 俺は 蘭子さんが好きだ。」
なつ「うん。 何か安心した。」
雪次郎「何に安心したんだ?」
なつ「雪次郎君は 昔の雪次郎君のままだから。」
雪次郎「昔のように セリフは なまんねえよ。」
なつ「んだな。」
雪次郎「んだ。」
(笑い声)
雪次郎「あっ 写真の方が美人だな。」
なつ「はい?」
東洋動画スタジオ
作画課
なつ「おはようございま~す。」
一同「おはようございます!」
堀内「『夢を見続けていたい。 奥原なつ』。」
なつ「もう… ちょっと やめて下さいよ! そんなことするために わざわざ 1冊ずつ買ってくれたんですか!?」
仲「なっちゃん おはよう。」
なつ「おはようございます。 よかった 仲さんまでしてなくて。」
仲「今日10時に 会議室に来てくれる? 大切な話がるんだ。」
なつ「はい。 分かりました。」
<仲さんは 今や 会社の中間管理職 作画課長になっています。>
「あっ はんこじゃなくて大丈夫です。」
仲「本当に?」
茜「私も呼ばれてるのよ そこに。」
なつ「あっ 茜さんも?」
堀内「大切な話って 何だろうな。」
神地「あれじゃないの? 今度 茜ちゃんと 競争させようってことじゃ?」
茜「何の競争よ。」
神地「ほら 美人アニメーター! マコさんの時みたいに。」
なつ「マコさんと そんな競争した覚えはない!」
神地「冗談だよ…。」
茜「もう… あんまり調子に乗ってると そのうち 冗談じゃ済まされなくなるからね。」
下山「でも あれじゃないの? もしかして…。」
なつ「あれ?」
下山♬『空をこえて ラララ 星のかなた』
♬『ゆくぞ』