連続テレビ小説「なつぞら」第9話「なつよ、夢の扉を開け」【第2週】

雪月

剛男「うまい!」

雪之助「そうかい。」

剛男「はい。 今 この瞬間 私は 戦争が終わったと実感しました。」

雪之助「そんなこと思ってくれんのかい お菓子一つで?」

剛男「はい。 平和の味がします。」

とよ「な~るほど。 あんたが このじいさんと 気が合わねえことは実感したわ。」

剛男「えっ?」

泰樹「四の五の言わずに 食え。」

剛男「ああ…。」

とよ「ほらね。」

(笑い声)

富士子「何よ 『四の五の言わずに』って。 なっちゃん これからは おじいさんのことは 何でも 私に教えてちょうだい。 おじいさんはね 甘いものを食べる時と 人に甘いことをする時は隠したがるのよ。」

泰樹「うるさい もう…。」

とよ「いかったね。 あんたのこと よ~く分かってくれる娘さんがいて。」

泰樹「あんたが 一番うるさい!」

とよ「アハハハハハ…。」

なつ「あっ 夕見子ちゃんが 牛乳食べてる!」

夕見子「ん?」

なつ「それ 牛乳だよ。 牛乳から出来てるんだよ。」

夕見子「だ… だけど これは牛乳じゃないでしょ? アイスクリームでしょ? 全然違うものじゃない。」

剛男「いいや 牛乳は牛乳だよ。 夕見子も こうすれば 牛乳を頂けるということだ。」

富士子「そだね。 こういうものを作って売れば 牛乳は もっと たくさんの人に 喜ばれるってことよね。」

妙子「あら 奥さん それは うちの商売ですから。」

富士子「あら そうね。」

妙子「はい。 甘いものは うちに任せて下さいね。」

雪之助「しかし これからのお菓子には ますます 牛乳は 欠かせないもんになんだろうね。 牛乳の方は よろしくお願いします。」

雪次郎「よし 僕が 夕見子ちゃんのために おいしい牛乳のお菓子を たくさん作るよ!」

夕見子「いらないわよ 別に。」

照男「じいちゃん 俺にも 搾乳 教えて下さい!」

剛男「何だよ 急に。」

泰樹「いいだろう。 ついでに 夕見子もやるか?」

夕見子「絶対に やだ! 私を巻き込んだら 家出するから。」

富士子「なんてこと言うの!」

(笑い声)

語り<こうして なつにとって その日は 夢のような一日になりました。 なつよ 私は 約束どおり 今も お前と一緒にいるよ。」

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