連続テレビ小説「なつぞら」 スピンオフ 秋の大収穫祭とよさんの東京物語②

録音室

(ドアが開く音)

とよ「師匠…。」

レミ子「この度は 大変なご迷惑をおかけして 申し訳ございませんでした!」

麻子「レミ子さん 本日は よろしくお願いします。 事情は 咲太郎さんから伺っています。 主人公のケン役を辞退して ユキにゃん役のオーディションを 受けるって。」

坂場「レミ子さんのユキにゃん 楽しみにしてます。」

レミ子「よろしくお願いします!」

坂場「じゃ…。」

雪月

夕見子「とよばあちゃん そろそろですね。」

妙子「そうね…。」

雪之助「おい 手ぇ止まってるぞ。」

雪次郎「あ… 悪い。」

録音スタジオ

坂場「それでは『2匹のにゃんこす』の基本設定を ご説明します。 主人公の少年 ケンが 2匹の人間の言葉を話す不思議な猫と 出会ったことから 物語は始まります。 一匹は メスの大人猫のユキにゃん。 もう一匹は 老婆猫のバアにゃんです。 まだ 台本もキャラクターも 完成ではありません。」

坂場「今日 皆さんの声を聞いて 皆さんにしかできない表現を この作品に反映したいと思っています。 まずは ユキにゃんと バアにゃんが ケンと初めて人間の言葉で話すシーンを やってもらいます。 バアにゃん役を柳井さん ユキにゃん役を土間さん。」

柳井 レミ子「はい。」

坂場「お願いします。 一から やります。」

麻子「レミ子さんの女役 楽しみね。」

坂場「はい。」

スピーカー・坂場『それでは よろしくお願いします』。 『どうぞ』。

小林『おはよう ユキにゃん バアにゃん』。

レミ子『全く 遅いお目覚めね。 早く ミルク頂戴』。

小林『うわ!』。

レミ子『ウフフ 驚いた』。

柳井『そんな急に話しかけたら びっくりするでしょう』。

レミ子『だって おなか すいたんだもん』。

坂場『それでは 次に ユキにゃん役を田所さん バアにゃん役を小畑さん お願いします。』

とよ「はい。」

田所『ウフフ 驚いた?』。

とよ『そんな急に話しかけたら びっくりするでしょう』。

田所『だって おなか すいたんだもん』。

とよ『全く しょうがない子だよ』。

田所『あ~ やっと しゃべれて すっきりした』。

とよ『若いもんは 辛抱足りないね。 女は 心が大事』。

田所『猫に 女 語られたくないわよ』。

とよ『あなただって 猫じゃない』。

坂場『ありがとうございました』。

麻子「とよさん 上手じゃない。」

坂場「僕が求めているのは こういうことじゃないんです。」

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