とよ「続いては 柴田牧場を 陰で支え続ける 戸村菊介!」
(柝の音)
菊介「カナ子 公英。 多くは語らねえ。 この歌に 全部込めてきた。 聴いてくれ。」
菊介♬『拝啓 この世界で一番近くにいるひと 今までもこれからも 一番近くにいるひと いつもなら言わないこと 今日は伝えに来ました 言わなくちゃいけなかったこと 歌にしました。 脱いだら脱ぎっぱなし 食べたら食べっぱなし』
とよ「十勝の番長 門倉 努!」
門倉「うわ~ 良子! もう トラクター買うなんて言わねえ! ああ~… おりゃ~! この腕っぷし一つで お前と子どもたちを支えていくべ!」
(拍手と歓声)
良子「あんた…!」
門倉「アハハハ タンポポです!」
とよ「タンポポ札!」
門倉「やった~! わっしょい わっしょい わっしょい わっしょい…。」
菊介♬『俺にとってキミはどんな空気よりも おいしい おいしい 空気なんだ』
とよ「我がせがれ 小畑雪之助!」
(柝の音)
雪之助「妙子!」
(歓声)
妙子「う~ん… 甘~い!」
(拍手と歓声)
とよ「タンポポ!」
(拍手)
雪之助「これ 愛の妙子ケーキっていいます。」
とよ「おっ…。 (せきばらい) 柴田照男!」
(柝の音)
照男「いつまでも 君だけが好きだ 砂良!」
砂良「何言ってんのさ! 浮気したくせに!」
観客「えっ…。」
照男「いや…違うんだ! あの… 組合長のつきあいで入った店が たまたま…。」
砂良「たまたま?」
照男「申し訳ない! 本当に 俺が愛したのは 生涯 砂良 ただ一人だ! 命懸けても構わねえ! 許してくれ このとおりだ!」
砂良「信じてあげる。 今回だけね。」
とよ「ギリギリ タンポポ!」
(拍手と歓声)
菊介♬『あんなに惚れてたのに こんなに惚れてるのに いつの間にか空気みたいに思ってた でも信じてくれ 俺にとってキミはどんな空気よりも おいしい おいしい 空気なんだ いつまでも吸っていたい おいしい空気なんだ 菊介 愛を誓います 十勝の空へ 菊介 愛を誓います あなたのそばで』
菊介「カナ子 帰ってきてくれ。」
(拍手)
とよ「さあ 判定は!」
公英「お母さん。」
カナ子「分かった 分かった。 ほれ。」
とよ「タンポポ~!」
(拍手)
悠吉「いいぞ! せがれ!」
(拍手)
カナ子「何さ その顔 ハハハ…。」