連続テレビ小説「なつぞら」 スピンオフ 秋の大収穫祭 十勝男児、愛を叫ぶ!②

とよ「続いては 柴田牧場を 陰で支え続ける 戸村菊介!」

(柝の音)

菊介「カナ子 公英。 多くは語らねえ。 この歌に 全部込めてきた。 聴いてくれ。」

菊介♬『拝啓 この世界で一番近くにいるひと 今までもこれからも 一番近くにいるひと いつもなら言わないこと 今日は伝えに来ました 言わなくちゃいけなかったこと 歌にしました。 脱いだら脱ぎっぱなし 食べたら食べっぱなし』

とよ「十勝の番長 門倉 努!」

門倉「うわ~ 良子! もう トラクター買うなんて言わねえ! ああ~… おりゃ~! この腕っぷし一つで お前と子どもたちを支えていくべ!」

(拍手と歓声)

良子「あんた…!」

門倉「アハハハ タンポポです!」

とよ「タンポポ札!」

門倉「やった~! わっしょい わっしょい わっしょい わっしょい…。」

菊介♬『俺にとってキミはどんな空気よりも おいしい おいしい 空気なんだ』

とよ「我がせがれ 小畑雪之助!」

(柝の音)

雪之助「妙子!」

(歓声)

妙子「う~ん… 甘~い!」

(拍手と歓声)

とよ「タンポポ!」

(拍手)

雪之助「これ 愛の妙子ケーキっていいます。」

とよ「おっ…。 (せきばらい) 柴田照男!」

(柝の音)

照男「いつまでも 君だけが好きだ 砂良!」

砂良「何言ってんのさ! 浮気したくせに!」

観客「えっ…。」

照男「いや…違うんだ! あの… 組合長のつきあいで入った店が たまたま…。」

砂良「たまたま?」

照男「申し訳ない! 本当に 俺が愛したのは 生涯 砂良 ただ一人だ! 命懸けても構わねえ! 許してくれ このとおりだ!」

砂良「信じてあげる。 今回だけね。」

とよ「ギリギリ タンポポ!」

(拍手と歓声)

菊介♬『あんなに惚れてたのに こんなに惚れてるのに いつの間にか空気みたいに思ってた でも信じてくれ 俺にとってキミはどんな空気よりも おいしい おいしい 空気なんだ いつまでも吸っていたい おいしい空気なんだ 菊介 愛を誓います 十勝の空へ 菊介 愛を誓います あなたのそばで』

菊介「カナ子 帰ってきてくれ。」

(拍手)

とよ「さあ 判定は!」

公英「お母さん。」

カナ子「分かった 分かった。 ほれ。」

とよ「タンポポ~!」

(拍手)

悠吉「いいぞ! せがれ!」

(拍手)

カナ子「何さ その顔 ハハハ…。」

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