連続テレビ小説「なつぞら」 スピンオフ 秋の大収穫祭 十勝男児、愛を叫ぶ!②

菊介「いや~ お疲れ お疲れ! みんな 大したもんだわ!」

正治「なあ 雪次郎君は?」

雪之助「いや まだなんだわ。 何やってんだべ あいつ…。」

とよ「あれ 雪次郎は どうしたのさ?」

菊介「いや それが… 便所に。」

とよ「もう 出番だっつうの! 雪次郎 さっさと尻拭いて出てこい!」

夕見子「もう いいわ。」

菊介「夕見子ちゃん…。」

夕見子「どうせ 逃げ出したんだべ。 もしかしたら 男 見せてくれるかもって 期待したけど… 裏切られたわ。」

とよ「ええ では 以上で 全員の演技が終了っていうことで いいのかい。 そうかい。 したら 以上をもちまして…。」

雪次郎「ちょっと待ってや!」

夕見子「雪次郎…。」

とよ「どしたんだい 雪次郎 やれんのかい?」

雪次郎「ああ。」

とよ「うん うん。」

雪次郎「遅くなって すいません。」

とよ「よっ! 本日の大トリは 雪月の菓子職人にして 私の孫 小畑雪次郎!」

(柝の音と拍手)

雪次郎「夕見子ちゃん…。 お義父さん! お願いします!」

剛男「すいません… すいません…。」

夕見子「父さん!? 何してんの!?」

剛男「柴田牧場の朝採れ牛乳だ。」

夕見子「いや… いやいや…。」

雪次郎「ありがとうございます。 ギリギリまで悩んでて 遅くなっちゃったけど…。」

夕見子「はあ? どういうこと?」

雪次郎「俺は 夕見子ちゃんの強さしか見えてなかった。 その強さに甘えてしまってた。 したけど これからは 夕見子ちゃんに できねえことは 俺が代わりにやっから。 夕見子ちゃんは 弱えまんまでいいから。」

とよ「雪次郎! あ~あ…。」

夕見子「ねえ ちょっと… ねえ ねえ! 何してんの…。」

(どよめく声)

夕見子「ちょっと! ちょっと…。 何してんの!?」

雪次郎「君が飲めねえ牛乳は 俺が 一生飲むから…!」

夕見子「何さ…。 あんんたが やりたかったのって こんなこと?」

(どよめく声)

(牛乳を飲む音)

夕見子「牛乳くらい もう飲めるわ。 私が こんなことで喜ぶと思った? 浅はかにも程があるべさ。」

門倉「番長札…。」

雪次郎「はあ…。」

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク