玄関前
純「もうこんなの貼ってある。」
志道「ちょっと ちょっと ちょっと ちょっと どういうことよ? 本当にここなくなっちゃうの? え?」
純「私達もウソって 思ったんですけど。」
志道「なんでよ?」
純「あ。」
(扉が開く)
サト「ごめんなさいよー。」
志道「あんた ちょっと…。」
サト「さー 皆さん行きますよー。」
志道「なによ? ちょっと。」
サト「はい これ目印ですからねー。」
志道「ちょっと おばさん!」
純「ウチにずっと泊まっていたお客さんに 新しいホテル紹介しに行くんだって。」
志道「ええ? なによ じゃあ これから寂しい時とか どこ行きゃいいの 私? もう。」
純「セクシーさん どうするんですか?」
蘭「出来れば辞めたくない。」
志道「そうよね。」
蘭「ここだと 働きながら 士郎のそばにもいられるし。」
志道「そうよ。」
純「そうですよね。 セニョールさん セニョールさんは?」
忍「私は女将さんに従うだけなんで。」
志道「ちょっと あんた なに言ってんの? あんた この店行ったら もう会えないのよ あのおばさんと 好きなんでしょ? あんた?」
純「え?」
忍「あ いや…。」
純「ええ!」
忍「やめてくださいよ 私はそんな。」
羽純「意外。」
いつのまに
純「チュルチュルちゃん ねえ チュルチュルちゃんは? さっき 女将さんが チラッと言ってたけど よかったらさ 話してみてくれない?」
羽純「私は…。」
純「うん。」
なに? なに? なに?
逃走する羽純
純「あ! あ ちょっと。」
純宅
とにかく里やを 再生する良いアイディアを探してみたけど
純「ああ もうダメだ。 みんな 自分話しばっかりで こんな悠長なことやっている時間がないんだよ もう。 ああ どうしよう… 愛君。」
愛「うーん。 とりあえず 銀行に返済を待ってもらうか それか 出資してくれるお金持ちを探すしかないと思うんですけども どちらにしても 里やが必ず儲かるって 再建案を出さなきゃいけないと思うんです。」
里や
厨房
愛「なんとか この里やを残すために昨日純さんと必死で考えたんですけど 皆さんにも協力してもらおうと思いまして。」
うなずく一同
愛「ありがとうございます。 じゃあ 問題点を整理しましょう。」
純「はい。」
愛「まず 始めに…。」
忍を見る一同
忍「え? なんですか?」
愛「この件に関しては 純さんから発表してもらいたいと思います。」
純「え? ちょっと えと… まず最初に…料理がイマイチ…。」
忍「…」
純「あー ごめんなさい ごめんなさい。」
愛「ごめんなさい。」
純「あの でも 違います 違くないんですけど でも いつも やっぱり お客さんが 少しだけ残してるんで。」
忍「すみません。 でもそれなりに変えているつもりなんですけど。」
純「そうですよね。」
蘭「ねえ 他の問題点は?」
純「はい。 えー ホテル自体が地味で部屋も狭い ホームページもないし 女将さん宣伝する気がないので 食堂を利用する地元の人以外 来る可能性がない 来たとしてもお客さんが喜ぶホテルの売りみたいなものが全くない… です…。」
蘭「なんか… 話し聞いてると絶望的な気分になってくるけど。」
純「いや そんなこといわ…」