連続テレビ小説「花子とアン」第4回「花子と呼んでくりょう!」【第1週】

居間

吉平「はな! はな! 大丈夫け!?」

ふじ「あんた やっと帰ってきただけ。 はな ずっと うわごとで 『おとう おとう』って 言ってるだよ!」

吉平「はな! しっかりしろし!」

はな「あ… おとう…。」

吉平「はな… おとうが悪かっただ。 はなが 死ぬほど つれえ思いしてる時に そばにいてやらんで…。 心細かったら…。 すまんなあ。 こんな おとうを許してくれちゃ!」

かよ「お姉やん!」

はな「おら… やっぱし死ぬだな…。」

周造「バカこくでねえ! 死んじゃ駄目じゃん。 はなは まだまだ 生きんきゃ駄目ずら!」

はな「まだまだ…?」

周造「ああ! 何十年も まだまだ これからだ!」

はな「おとう 書くもん あるけ?」

吉平「あ?」

はな「筆と紙をくりょうし。」

ふじ「どうしただ。 無理するじゃねえ。」

はな「おとう 早く。 筆と紙…。」

吉平「これかい? これかい?」

吉平「こりゃあ…。」

ふじ「何ずら?」

吉平「こりゃ はなの辞世じゃ。」

周造「え…?」

吉平「辞世の歌じゃ…。」

はな「『まだまだと おもひすごしおるうちに はや しのみちへ むかふものなり はなこ』。」

ふじ「あっ!」

吉平「はな~!」

ふじ「はな! はな!」

吉平「はな!」

はな「今まで お世話になりゃんした。 ありがとうごいす。」

吉平「ああ~! (泣き声) …医者には 診しただけ?」

ふじ「医者?」

吉平「何で 医者に診せんだ!? はな! まだ 辞世の歌は早え!」

<この辞世の歌が はなの運命を 大きく変える事になるのでした。 では ごきげんよう。 さようなら。>

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク