連続テレビ小説「カーネーション」第58回「秘密」【第10週】

オハラ洋装店

<こんな時 店が忙しいちゅうんは ほんまに助かりました。 余計な事 考えんで済むよって>

糸子「また いつでも始められるように 道具なんかも きっちり手入れして しもうとくんやで。」

2人「はい。」

正一「こんにちは。」

勇「こんにちは。」

糸子「勇君 おっちゃん! いや~! あら~ え~?」

正一「勝君 出征やってな…。 おめでとう。」

糸子「来てくれたんか わざわざ。 おおきになあ。」

居間

糸子「せやけど 勇君 何年ぶりや?」

勇「糸ちゃんの結婚式以来やな。 あれ もう… 8年前か?」

糸子「いや~ そないなる? ハハハ へえ~。」

ハル「どこへいっちゃったんかいなあ? 何や あの外国の…。」

糸子「ああ セラ… セレ…。」

静子「セレビス!」

勇「セレベス島。」

静子 糸子「セレベス島や!」

ハル「へえ~ 何しに?」

勇「勤め先の貿易会社から 駐在員で 行っとったんですよ。 けど まあ こんなご時勢やから 会社が潰れしもうて。」

ハル「ほんで 今 お父ちゃんの会社 手伝うてんのかいな?」

勇「はい。」

正一「まあ うちも 軍服屋に なってしまいましたけどねえ。」

糸子「おじいちゃんら 元気にしてんの?」

正一「まあ… まあまあな…。 ああ やっぱり 勝君の事 聞いて お前の事 えらい心配しとったで。」

糸子「『大丈夫や』て 言うといてな。」

2階 座敷

(からすの鳴き声)

(バリカンの音)

居間

優子「ザラザラや~!」

勝「気持ち いいか?」

静子「直ちゃん。 ほら 直ちゃんも 触らしてもらい。」

<ことごろは 派手な出征祝い ちゅうのは 禁止されてるよって 家族と店の子らだけの 小さい会を やりました>

(一同の笑い声)

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