(ドアベル)
智「いらっしゃいませ。」
(ドアが閉まる音)
早苗「知り合い?」
暢子「眞境名商事の社長の息子さんさぁ。」
智「お客様 あちらの席へ…。」
秀樹「どけ。 それ 何か? 買え 新しいの。 貧乏すぎじゃないか。」
(笑い声)
秀樹「どうせ 玉の輿 目当てだろ?」
暢子「たまのこし?」
秀樹「うちに応募してくる女は みんなさ。 親父の会社には 大学出の男が集まってるからな。」
暢子「うちは そんなつもりじゃ…。」
秀樹「仕事よりも いい結婚相手を あさりたいだけだろ? でも その継ぎはぎ お前のオカーは 何も言わないわけ?」
(笑い声)
智「暢子 よせ! 暢子!」
暢子「離して!」
智「よせ! やめれ!」
秀樹「おい お前!」
早苗「暢子!」
秀樹「お前の代わりくらい いくらでもいるんだからな! おい いちゅんど。」
「おお。」
(ドアベル)
帰りのバス
暢子「うちが 甘かったわけよ。 もっと早くから準備してこなかった うちが悪い。」
智「準備って?」
暢子「働くって どういうことなのか 考えたこともなかった。 適当に面接受けて 入れてもらえるところに入れれば 何とかなると思ってた。 高校卒業したら ちゃんと就職するのが親孝行さぁねぇ。」
智「まあ 大丈夫だよ。 暢子は 暢子らしく。」
暢子「うちらしくって 何? 食いしん坊? 速く走ること? そんなの 大人になったら 何も通用しないさ。」
智「暢子…。」
暢子「ごめん…。」
山原村共同売店
優子「はい 共同売店です。 はい 比嘉優子は うちです…。 暢子が… 暴力?」