連続テレビ小説「ちむどんどん」3話「シークワーサーの少女」

智「暢子にケガさせたってな。」

和彦「それは悪かった。」

智「悪かったで済むと思ってるのか!」

賢秀「智! ここは 沖縄の一番星に任せれ。」

賢秀「『少年ダッシュ』貸せれ。」

和彦「えっ?」

智「おい それでいいわけなぁ?」

賢秀「どんなか?」

和彦「あげるよ。 もう全部読んだから。」

賢秀「アイヤー!『少年ダッシュ』! 最新号! ハハハ…!」

智「それで許すのか?」

賢秀「今日の夜 必ず来い。 絶対に『少年ダッシュ』持って。 母ちゃんが ジーマミー豆腐に サーターアンダギー作ってくれるって! それによ 父ちゃんのそば!」

和彦「そば? ざるそば?」

智「何か それ。」

和彦「『少年ダッシュ』は 今度 学校に持ってくよ。」

賢秀「何でか。 絶対にの夜 持ってこい。 沖縄角力で勝負しよう。」

和彦「沖縄角力?」

賢秀「勝負の前に教えてやるさ。」

和彦「組み合った状態から始めるんだ。」

賢秀「コツつかむの早いな。」

智「普通 分かるだろ。」

賢秀「先に相手の背中を地面につけた方が勝ち。」

和彦「押し出しは? うっちゃりとか 寄り切りとか。」

賢秀「だからよ。」

沖縄角力とは 本土の角力と似ていますが 柔道着を着て取り組むなど 多くの独特の決まりを持った 競技です。 琉球王朝の時代から 数百年の歴史があるとも いわれています。

賢秀「はい。」

賢秀「お前は弱い。 弱すぎる。 しょうがないから 俺の一番弟子にしてあげるよ。」

和彦「嫌だよ。」

賢秀「山原中学校横綱の一番弟子だよ? うれしいだろ。」

和彦「うれしくない。」

智「待て 賢秀。 横綱は俺だろ。」

和彦「アキサミヨー 誰が決めた?」

智「ヤマトンチュ 審判やれ。」

和彦「僕?」

智「来い!」

賢秀「ニライカナイまで 投げ飛ばしてやるからよ。」

和彦「ニライカナイ?」

賢秀「海の向こうの そのまた向こうさ。」

和彦「ハッケヨイ ノコッタ? 何て言えばいいの?」

賢秀「背中をたたく!」

和彦「どっちの?」

智「どっちも。」

賢秀「早くしれ!」

和彦「始め!」

賢秀 智「アガッ!」

和彦「ごめん。 だって…。」

智「隙あり!」

賢秀「インチキ!」

和彦「あの。」

賢秀「何か。」

和彦「僕 もう帰っていい?」

賢秀「ありえん! マグネット オーロラ 宇宙磁石パワー!」

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